シーザーがオスだったこともあって、また今度の子もオスがいいと思っていたのですが、4頭のきょうだいはオ
スとメスが2頭づつで、少し小さい方のオスを選ぶことにしました。それがカイザーとの出会いです。
そのお宅では、事情があって売られることのなかった子達が何頭か飼われていたのですが、その中に、私
と母を愛想よく出迎えてくれた可愛いオスのヨーキーがいました。
シーザーとは全く異なる顔立ちの子でしたが、私はあえてあまり見ないようにしていたのに、ふと気がつく
と、母がその子を抱っこしていて、もう離せないといった様子でした。
事情を聞いてみたところ、その子は現在3歳で、未熟児で仮死状態で生まれ、その後も成長が悪くて
虚弱なため、そのお宅でずっと飼われているということでした。
少し不安はありましたが、見たところ不健康そうには見えませんでしたし、お願いしてその子も譲ってもら
うことにして、気がつけば、予定外に2頭を連れて帰っていました。
この子が2頭目のヨーキーのヨーマン≠ナ、 カイザーの最初の同居犬です。
その後、頑固な性格のカイザーには少々手を焼いたものの、元気に成長したのですが、ヨーマンは時々
体調を崩し、先天性の心臓病があることも分かりました。
特に、晩年の1、2年は、心臓発作を起こして酸欠状態になることもしばしばあり、夜間だけ動物病院で
預かってもらうといったこともよくあったのですが、預かってもらっていたある日の翌朝、強い発作が起きて、
ヨーマンは11年の生涯を閉じました。2001年11月の肌寒い朝のことです。
分からなくても当然なのでしょうが、カイザーにはヨーマンの死が理解出来ず、1カ月程は家の中をしょっ
ちゅう探していて、よそのヨーキーにとても喜んだり、そんなカイザーの姿を見るのがとても辛かったです。
そうこうしているうちに2002年、ようやくカイザーもヨーマンのいない生活に慣れたようでしたが、1頭になっ
てからは嫉妬の対象も競争相手もいなくなり、ゴロゴロしていることも多くなったのですが、食欲不振の毎
日が続いて栄養状態が悪くなり、病院通いをするようになってしまいました。
本来は、シーザーの時と同様に、1年を過ぎて新たな同居犬を迎えるつもりでいましたし、体調不良が1
頭になったせいかどうかも分かりませんでしたが、そんなカイザーのため、5月に急きょ同居犬を迎えるこ
とになったのです。
ヨーキーは、縁があればまた飼えそうな気がしていましたので、今度は少し大きめのスコッティかケアンテリ
アを迎えようと思いました。