比較的純粋に諺文紹介したもの
昆陽漫録(1766)
甘藷先生で知られる青木昆陽がまとめたもの。吉宗の時期の人で、
幕府の依頼で各地に残されている文書の調査なども行った。
後に蘭学も学ぶ。

まず第1巻を1735年頃まとめ、1766年に6巻ものとしてま とめ直した出版した随筆集である。
自分の集めたものを書き付けたものであるが、かなり広く読まれたようだ。
明治になり自筆で幕府に献納したものが発見された。
国会図書館にも写本が3冊ある。

自筆本(内閣)には「阿蘭陀文字、朝鮮諺文を得たり。博物の一端ゆへ左に記す」として
アルファベット表とハングルが紹介される。


比較的正確に書かれているが、「구」が写本では「子」のようになったり、「뇨」が「丘」となる。
「오」「요」は最初の本から「互」「「糸」が崩されたような字体である。

この記事以外にも朝鮮本からの引用も多く、
引用の後に書かれているコメントを見ると、昆陽の朝鮮観もよくわかる。
巻6の「穀品」でも作物の名前にハングルが挿入される。
ただし、こちらは存在しない字体や誤用も多く出てくる。






漢呉音図(1815)
太田全斉が書いたものであるが、どのような人かはよく分かっていない。
漢字の音を表す目的の本であるが、比較のために朝鮮音もハングル とカナで表される。
ハングルの出てくるところは「上中下」本の中巻で「漢字音徴」という題がついている。
字の形は比較的正確。
 
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