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| 黄橋跡(左ビルの手前。奥は昌慶宮) |
黄橋は現在のソウル市鍾路区苑南洞の一角である。昌慶宮から宗廟にそって流れてくる小川が、昌慶宮横から鍾路へ抜ける道を横切る所の橋であった。古宮ホテ ルのある一体である。ここに趙鏞殷一家のソウルでの家があった。趙鏞殷が1904年10月日本へ出発するときも、朝早くここを出発して南大門駅から仁川港 に向かっているし、しばしば手紙のやりとりをしている。1906年に帰国したときも、篁芳里へ行く前にここで滞在している。
1907年、ハーグ事件に続いて皇帝譲位、第3次日韓協約、軍隊解散と大きな変化があったが、その中で積城、楊州方面が義兵活動の基地となった。篁芳里も 危険になったため、祖父等も一時的に黄橋に避難してきている。
日記からはどのような家であったかはわからない。しかし、明治40年に日本側が出した京城の地図を見る限り、広い敷地がとれるような場所ではない。父親、 兄とも官職についているので、そのための家でなかったかと思われる。彼等が黄橋に生活したのは1907年末か、8年の初旬までだったようである。このころ から趙鏞殷の日記に巡洞という地名が出始めて、かわりに黄橋が消えるからである。
小川は埋め立てられてしまい、洞内の細い小道となっている。道は、かつての地図に描かれているのと同じカーブを描いていて、周囲より一団低い。道路の形状 と地形から川であったことがわかる。旧黄橋を越えたあとも大部分がそのままの形で残っている。この川のすぐ脇は宗廟の壁であって、昌慶宮から鍾路に抜ける 通りと宗廟の壁までは50mほどしかない。とても狭い地域であったようだ。
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| 黄橋の川のあと(左、大通りから。 | すぐ脇の宗廟の壁(当時のものではない) | |