宗廟は国王の祖先を祀るところだから、王が直接先祖に感謝し、国の安泰を祈った。そのために年5回、王が直接ここに出向いて祭祀(チェサ)という儒教的な儀式を行った。仏教の法事に感覚は近い。
祭祀は日本時代に行われなくなったが、独立後復活した。もちろん、王はいないから、王の同族(全州李氏)によって毎年5月の第1日曜日に行われている。その順番は次のとおり。
王は普段住んでいる昌徳宮を出発する(1)。馬や家臣が先導する中、輿に乗ってあらわれる(2)。今でこそ王宮と宗廟は橋でつながっているが、このときはそうではない。また、南側の正門から入らなければならない。
王が宗廟入り口から中に入る。後ろには黄緑色の服を着た世子(皇太子にあたる)が付き従う(3)。途中、輿から降りた王は徒歩で正殿へ向かう。そのときは3つに分けられた道の中央を歩く(4)。王は正殿脇で儀式が始まるのを待つ
(5)。各部屋は扉が開けられ、供物が供えられる。いよいよ時間になると、踊りがささげられ(6)、音楽が奏でられ儀式が進行する(7)。