正殿(정전:チョンジョン)
 
正殿は王の位牌を祀るところである。左(西側)から順に祀られているが、ここには19代分の王が祀られているが、祀られている王は功績の大きかった王である。それぞれ王の位牌ごとに部屋が作られている。霊魂を祀るところだから、他の王宮のようなきらびやかな塗り(丹青)はない。
 
廟は広い石壇の上に建てられている。ここに三本の道があるが、中央のものは神が通る道である。この道を通った神は雲の彫られた石段を登り中にはいるようになっていた。この祀られているところを雲宮とも言うからである。
 
王は両翼の道から入る。それぞれの道はさらに3つに区切られているが、これは真ん中を王が、両脇を臣下が通るようになっている。
 
宗廟の建物も豊臣秀吉の朝鮮侵攻(1592)のときに焼失してしまい、今の建物は再建である(1601)。位牌は時の王、宣祖(선조:ソンジョ)が避難するときに一緒に持ち出され無事だった。宣祖が漢城(今のソウル)に戻ったときに他の王宮よりも先に、宗廟が再建された。そののち祀る位牌が増えたため3回にわたって建物が増築された。屋根を見ると色が変わっていることでわかる。
 
正殿の真向かい(正殿から見て左側)は功臣殿(공신전:コンシンジョン)である。それぞれ功績のあった臣下を各王ごとにまとめて祀っている。また門の反対には四季を象徴するものを祀る「七祠堂(칠사당:チルサダン)」があり、正殿の外にも齋室をはじめとして祭祀に関係する建物が建てられている。

雲宮へ登る石段 功臣堂 齋室(祭祀のとき王が準備した所)

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