久麻加夫都阿 良加志比古
神社
枠 旗祭の幟

久麻加夫都阿良加志比古(くまかぶとあらかしひこ)神社は七尾市中島町にある。この一帯は熊木郷と呼ばれ、七尾湾に注ぐ熊木川の中流にある。式内社であり、荘園時代、江戸時代含め地域の信仰の中心であった。神社には平安時代の神像や本地仏とされる木造薬師如来像などがある。早くから神仏習合が進んでいたようだ。

神社の祭神は阿良加志比古神(あらかしひこのかみ)と都奴賀阿良期止神(つぬがのあらしとのかみ)。渡来系の神である。神社の伝承でも神は海からやって来たことになっている。この伝承は能登の神社に多いと言われれる。熊木郷の河口部は古くから人の住んでいたところで古墳も多い。竃付きの住居跡も発見されていて、そこからは須恵器も発見されている。このような集団が移動してきたことが伝承になっているとも言われている。

熊木郷は能登の交通の要所であった。能登半島中部で幅の狭いところ。七尾湾から熊木川を遡り峠を越えれば日本海側に出られる。また、能登半島の入口と奥能登を繋ぐところでもある。そのような交通の結節点にある神社である。そのため748年、越中国司(当時の能登は越中に併合)大伴家持は能登の巡行のときに、能登国の国府があった香島(七尾)から上陸して真っ先に熊木に来て、ここに関する歌を四首残している。

なお、ここで9月に行われる熊甲二十日祭の枠旗行事は国の重要無形民族文化財に指定されている。ここでいう熊甲とは久麻加夫都の別の書き方である。

神社鳥居 拝殿 熊甲二十日祭の枠 旗行事(お祭り資料館)

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