福浦港(ふくらこう)
福浦港全景

福浦港は能登半島中部の日本海側にあるリアス式の港である。古代の福良津と考えられている。ここは敦賀などから帰国、出発した渤海使が風待ちに使った港である。渤海使は越前(敦賀)から加賀に向かい、福良津で風待ちをしていた。771年の使節は出航後遭難して、福良津に留まっているし、773年の使節のように能登を目指して来た使節もいる。

883年には渤海の渡航船建造のため、福良津周辺の山木を伐採することを禁じている。周囲は20mほどの断崖になっていて、その上が平地となっている。そこの木を使って舟を修復すると言うことだ。ただ、港沿いに平地が発達しておらず、港にへばりつくように民家が密集している。江戸時代は北前船の寄港地になっていたため、発展していたのだ。そのため、地中の調査は進んでおらず、今のところ船工場跡は見つかっていない。

又、渤海使が留まるなら、そのための客館が必要だが、それも見つかっていない。なお、能登の客館は寺家遺跡説もある。


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