釜山海高徳寺

佐賀県、唐津駅のそばにある寺である。普通「○○山」になるはずだが、ここは「釜 山海」という珍しい名前になっている。韓国と縁があり、豊臣秀吉から授かった山号である。

1585年に浄土真宗の浄信が釜山に布教に行った。当時は釜山などの3カ所に日本 人の居住地域ががあった。そこを拠点に朝鮮に浄土真宗を布教しようとしたようだ。1592年に秀吉より釜山海高徳寺という名前を許されたが、同年の文禄慶 長の役の勃発によって日本に引き揚げた。その後何度か寺の位置を変え、現在の唐津に落ち着いたとのことである。

明治に入り、浄信の子孫で高徳寺の住職でもあった奥村円心は大久保利通の建議に よって、釜山の日本人租界に行き東本願寺釜山別院の住職となった。釜山の東本願寺は現在、大 覚寺とい う寺になっていて、当時の灯籠と梵鐘が残されている。

寺には朝鮮の布教のときのものや、明治以降の日記などを見ることができる。なお、 愛国婦人会を結成した奥村五百子は奥村円心の妹で、高徳寺の出身である。

釜山 海に関するもの
朝鮮国釜山海の文字
明治時代朝鮮側の渡航許可証
 
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