比較的単調な東 海岸
釜 山と蔚山の間にある機張の海岸線

韓国では日本海のことを東海という(日本の東海地方と混同を避けるためここで は日本の呼称を用いる)。日本海側は黄海や朝鮮海峡側と比べて海岸線の様子がかなり異なる。

朝鮮半島が日本海側を軸に隆起したためで、そもそも全体として単調なことに加 え、日本海側に流れ込む川は短く急な傾斜のため、大河川はなくともある程度の量のの砂が流れ込む。しかも日本海はほとんど干満の差がないので(日本側も同 じ)、潮流もそれほど早くなく、寧ろ波の影響で砕かれた砂がまわりに積もるのである。

そのため海に飛び出したところは波に削られて、岩石海岸となり、湾は砂が溜ま る砂浜になることが多い。氷河期が終わり海面が上昇したときにできたリアス式の海岸も、ほぼ砂に埋められてしまい、規模は小さいが平野となっている。蔚山 の平野は蔚山断層と太和川が作った平野、浦項の平野は梁山断層と兄山江に よって作られた平野である。

日本海側最大の平野は北朝鮮の咸興平野であるがこれは朝鮮半島の隆起との関係 でできた地形とされる。

また、砂によってできた地形がいろいろ見られるところでもあり、海岸近くの島 とつながった陸繋島、潟湖、砂丘もみられる。釜山近郊の海雲台に冬柏島という島があるが、これも陸から直接行くことが出きる陸繋島である。冬椿島が岩石海 岸であることと、そばに川が流れ込んでいることでできた地形であろう。

海岸沿いには段丘を見ることも出来る。何段か確認されていて、高さ10メート ルほどの一番下の面が77000年、18メートルほどの次の面が124,000年前に作られたといわれる。平均すると1年に0.1mmの早さで隆起してい ることになる。

砂浜の広がる海雲台海水浴場 陸繋島の冬柏島 案内図(陸繋島の様子がよくわかる)

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