高く険しい日本列島と低くてなだらかな朝鮮半島
日本で最も高い山は富士山で3776メートルあ
る。これは火山であるが、そうでなくとも、赤石山地や木曽山地のように2000〜3000メートル級の山が連なる山地も多い。
一方、朝鮮半島で最も高い山は中朝国境の白頭山
でその近くに2000メートル級の山があるに過ぎない。韓国では小白山が1440メートル、智異山が1915メートル、俗離山が1058メートルなど、日
本に比べて海抜が低い。
日本に高い山が多いのは、現在も地殻変動が激し
いためである。これは太平洋プレートなどの潜り込みの影響で地殻が変動しているためで、このような変動帯を新期造山帯という。山は高くなるように、平野は
沈むように運動していて、そこを川が削りつづけるので、大量の土砂を平野に供給しているのだ。
特に本州の中央部は東北日本と西南日本がぶつか
り合っているところで、そのうえにフィリピン海プレートに載ってきた伊豆半島が本州と衝突して本州を日本海側に押し上げているため、非常に複雑な力が加
わっている。変動帯はプレートの境界付近
だけなので、その幅は狭く、その範囲では急激な地殻変動が起きる。
それに対して朝鮮半島は変動帯からはずれる。そ
のため、ゆっくり隆起したり沈降する運動はあっても、急激な地殻変動は先カンブリア紀時代以来ほとんど受けていない。このようなところを安定陸塊という
が、朝鮮半島はまさにそこにあたる。朝鮮半島は中国東部とともに先カンブリア時代の地層が表面にある盾状地と呼ばれるところにある。
そのため、浸食が進み山も低くなっているのだ。
また、あちらこちらで見られる花こう岩は本来地下数`のところでできる火成岩であるが、浸食が進んで地表に出てきている。そんなわけで低くなだらかな山が
多いのだ。
ただし、韓国の山は低い所からいきなり始まり、
岩山が多いので登山すると高くて、険しく感ずる。
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プレートが潜り込むところで造山運動がおこる |