地震の少ない韓国
2005年3月、韓 国全土で地震を感じてニュースとなった。震源は日本の福岡県。韓国は九州から250キロほどしか離れていないが、地震はごく少ない。

一方の日本はいうまでもない地震国で、地球全体 で1年間に放出される地震エネルギーの実に1割近くが日本付近で放出される。元々地震国である。しかし、日本の中でも一般的に太平洋側の方が地震んが多 く、日本海側に行くほど少なくなり、対馬では被害地震はほとんど記録されていない。

この違いはプレートテクトニクスで説明できる。 この考えによれば地球表面はいくつかの岩盤(プレート)で覆われていて、それぞれが互いに自由に動いている。日本付近は4枚のプレートがぶつかる場所で、 そのうちフィリピン海プレートと太平洋プレートは、ユーラシアプレート(西日本)と北米プレート(東日本)の下に潜り込んでいる。プレートが潜り込むこと と関連して地震がおこるのだ。そのため日本では地震が多いし、ことに関東地方は北米プレートの下にフィリピン海プレートと太平洋プレートが潜り込んでいる ため、地震の巣となっている。

プレートは斜めに潜り込み、韓国付近ではかなり 数百`の深さまで沈むため、地震が起こりにくいし、あっても地表ではほとんど揺れを感じないのである。

もちろん、揺れないわけではない。韓国内が震源 の地震もあるし、釜山から浦項付近にかけては活断層も確認されている。その谷を、京釜高速道路が通過している。また、福岡県西方沖地震で釜山で震度4程度 の揺れになったように、日本での地震によって揺 れる場合もあるし、日本海中部沖地震の時は津波被害が出た。朝鮮の古代史を著した三国史記を見ると、慶州の地震で宮殿の建物が倒れたという記事がところど ころで見られる。これらももしかする日本で起きた地震による被害かも知れない。

 日本付近の地震の震源と深さ(とうほう  地理資料Bより)
 
前のページ    目次    HOME    次のページ