安国寺(2)


山門 灯籠(山門脇)

安国寺境内には隠れキリシタン関係のものも多く残されている。そのうちの一つが山門から左に入ったところにある。松浦藩第27代松浦久信(1571- 1602)夫妻の拝塔(墓所は在平戸)である。左は切支丹大名の大村純忠の娘、メンシア(1575-1657)のものである。夫妻とも熱心に信仰していた という。

この墓の水盤にイエスを象徴する太陽と、マリアを象徴する月が彫られている。台石にもカニや魚がレリーフ状に彫られている(久信の方が魚=キリスト教の象徴カ?)。また、久信の墓の表面にも太陽を象徴したと思われる円盤が彫られている。

境内には外にも隠れキリシタンに関係すると思われるものが残されている。石灯籠に彫られた六地蔵は聖体容器を持っているものがあるし、石塔の下、柱石の上部には「三」の真ん中を縦に貫く棒が彫られている(これが直接隠れキリシタンに関係するかは不明)。

壱 岐は隠れキリシタンの規模が小さかったとされる、そのため、現在はまったく途切れてしまっているが、近年「参多神社」をはじめ、多くの遺物が発見されてい る。また、捕鯨の島であったため、隠れキリシタンの里である平戸、生月島の漁民が壱岐に来て、漁撈を行った記録もある。




水盤(久信のもの) 水盤下のレリーフ(魚、カニ) 久信の墓石

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