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2006年11月22日
N響コンサート
久しぶりにN響を聴いた。N響自体はテレビでも聴くがそのことではない。生だ。
11月13日、オペラシティーでだ。ノリントンの振る演奏にしてはいやに安いと思いつつ、行ってみたらNTT東日本の冠コンサートだった。

1曲目はベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。ソロは庄司紗矢香。弦楽器は対向配置でピリオド奏法だ。1楽章の序奏部はこんなに連綿たる曲かと思うくらいゆっくり演奏が始まった。ソロが入って多少テンポを取り戻したものの、全体としてとてもゆっくりだった。2楽章は今度は速いテンポで、ベートーヴェン交響曲第6番の2楽章を思わせるような明るい曲に仕上がっていた。3楽章はまた落ち着いたテンポだ。

ピリオド奏法のせいか、ノリントンの解釈のせいか、4拍連打するときに、1拍目を強く、後を弱くしているのだが、かなり気になった。

2曲目はヴォーン・ウィリアムズ「交響曲第5番」。はじめて聴く曲だ。というよりもヴォーン・ウィリアムス自体がほぼ始めてだ。「スリーンスリーヴスによる幻想曲」くらいしか知らない。

D-durのはずが、Cから始まる不思議な曲だ。ドミナントはCisだから、普通Cは使わない。ホルンの牧歌的なメロディーと弦楽器の民謡風のメロディーが対話のように繰り返されるとプログラム通りに曲が進む。しかし、金官は苦労していたな。

2楽章になると、プログラム通りに曲が進行しなくなった。不思議だ。3拍目にアクセントをつけた3拍子で書かれた曲というが、指揮は4拍子を示している。8分の12かとも思ったが、どうも違うようだ。その内に変拍子の嵐に。管が強くなっている中での変拍子だから、ブラスでも面白そう。でも、3拍子はどこへ?

4楽章はもっと不思議。後半はフーガになり、最後はニ長調の手話音が明るく鳴り響き渡って曲が終わると書いてあるのだが、曲はどんどん静かになり、クラリネットのD-durのスケールが聞こえてきて、静かに消え入るように終わってしまった。マーラーの6番の終わりのように、最後にD-durでの壮麗な響きがあるように想像したのだがそうではない。ちょうどメンデルスゾンの交響曲第3番をうっかりクレンペラー版で聴いてしまったような、虚無を思わせるのだ。しかし、記述と演奏の違いは何なのだろう。

あとでCDとスコアを買って検討しなければならない。
Posted by hajimet at 19:55 | Comments (0)

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