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2005年8月22日
英イングランド銀行(中央銀行)ついに利下げ

●イングランド銀行は4日、8月の金融政策委員会を開き、政策金利(レポレート)を現行の年4.75%から0.25%引き下げて、4.5%とすることを決めた。
政策金利の改定はちょうど1年ぶりのことになる。2004年8月5日、金融政策委員で政策金利(レポレート)を0.25%引上げると発表し、4.75%として以来、11ヶ月連続で政策金利は4.75%に据え置かれてきたが、ちょうど1年ぶりに政策金利の引き下げが実施されたことになる。


【過去の流れ】
2003年7月10日、英イングランド銀行(中央銀行)(BOE【=Bank of Englandの略】)は金融政策委員会で、市中金利誘導のかなめとなる政策金利(レポレート)を0.25%引き下げて年3.5%とする事を決めた。

その後2003年11月6日、英イングランド銀行(中央銀行)は、11月の金融政策委員会を開いた時、日本の公定歩合に相当する基準貸出金利で、短期市場金利を誘導する政策金利を0.25%引き上げ、年3,75%とする事を決定した。

2004年1月8日、英イングランド銀行(中央銀行)は、1月の金融政策委員会を開き政策金利(レポレート)の現行3.75%で据え置く事を決めた。2ヶ月連続となる。

昨年2004年1月23日に英政府統計局が発表した2003年10〜12月期の国内総生産(GDP)成長率(速報値)は、前期比0.9%、前年同期比では2.5%となり、ともに2001年第1四半期以来、ほぼ3年ぶりに高い数字が出た。
この発表を受けて短期金利が上昇し、2004年2月の金融政策委員会で英中銀イングランド銀行が、追加利上げするのではとの観測が俄かに急浮上した。2月5日、予想通り英中銀イングランド銀行は政策金利(レポレート)を0.25%引上げて、年4.0%にすると発表した。利上げは2003年11月以来3ヶ月ぶりだった。

2004年3月4日、3月の金融政策委員会を開き、政策金利(レポレート)をそれまでの年4.0%に据え置くことを決めた。

2004年4月も同じ4.0%で据え置かれた。


英イングランド銀行(中央銀行)は、昨年2004年5月6日、政策金利(レポレート)を0.25%引上げると発表し、4.25%とした後、6月10日も、5月と同じく0.25%引き上げを決め、年4,5%とする事を決めた。利上げは異例の2ヶ月連続だった。
さすがに3ヶ月連続して利上げすることは考え難く、2004年7月は据え置きが決定した。英イングランド銀行(中央銀行)は、7月8日に金融政策委員会を開き、政策金利(レポレート)を現行の年、4.5%で据え置いた。

2004年8月5日、金融政策委員で政策金利(レポレート)を0.25%引上げると発表し、4.75%とした。

英国にとっては年4%台の政策金利は低水準という認識らしい。これまで2003年秋から金融引き締めに転じて以来、2004年8月までに既に5回も利上げしているにもかかわらず、なかなか住宅投資が沈静化する兆しが見られない状況が続いていたからだ。
しかし、2004年8月5日に金融政策委員で政策金利(レポレート)を0.25%引上げると発表し、4.75%とした後、微妙に、不動産市況に変化の兆しが見られるようになり、今までのような過熱感が薄れてきたのではと感じられるようになってきたという。
そしてようやく英国の「不動産バブル」にも沈静化の兆しが見えてきたのではという判断から、2004年10月の金融政策委員会では4.75%に据え置かれた。
結局、2005年7月まで、11ヶ月連続で政策金利が4.75%のまま据え置きが継続していた。

私の記憶の中にあるイギリスの金利は、1985年以降からしかないが、1984年のイギリスでは、日本の公定歩合に相当する基準貸出金利で、短期市場金利を誘導する政策金利は、高いところでは12%水準であった時期もあり、その後1985年1月28日に14%をつけ、引上げと引き下げを何度も繰り返しながら、結局その後は引き下げ基調となり、1988年5月19日には7.5%まで引き下げられた。
しかしその後は1988年11月25日には、エレベータで最上階まで上りつめるような感じで、一気に13%にまで至った経緯がある。
過去において、超過激な金利の引上げと引き下げを経験してきたイギリスでは、民間銀行が長期固定金利の個人向け融資には消極的なようだ。その為、大方が短期金利に連動する変動金利型が多いと思われる。
この為、短期金利を誘導する中銀の金融政策が、景気全体に速やかに波及しやすいようで、この点において日米とは金融情勢が異なっているのではないだろうか。
1994年以降の英イングランド銀行(中央銀行)(BOE【=Bank of Englandの略】)の短期金利を誘導する政策金利は、高くても7%台で、その後は段階的に引き下げられていた。(2005年8月5日)
Posted by fpgarden at 17:37 | Comments (0) | TrackBack (0)
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