§1.政情から見た治安について
今回のウズベキスタン旅行で訪問する都市は、タシケント、サマルカンド、シャフリサーブス、ブハラ、ヒヴァの5都市である。タシケントは国際線が発着する首都、他の4都市はユネスコの世界遺産に登録されている歴史的な都市である。
ウズベキスタンは中央アジアでは政情的にも安定した国であり、治安は良いと一般に言われている。但し一部の国境近辺と米軍が駐留する地域は紛争に巻き込まれる可能性も否定できないので、日本の外務省は地域を限定して下記の注意情報を発令している。
それによると、タシケント、サマルカンド、ブハラ、ヒヴァには注意情報は発令されていないが、シャフリサーブスだけは下記地域情勢の(4)の「十分注意してください」の地域に該当している。ただしこれはアメリカ人が多く集まる箇所や人ごみのある場所での単独行動はなるべくしない程度のものであり、一番緩いレベルの勧告であるので、今回の日本人のみの観光バスによるツアーでは問題ないと理解している。
(参考)日本の外務省のウズベキスタン情報の抜粋
1.概況
(1)大統領および警察の権限が非常に強く、政情は表面的には安定している。
(2)1999年2月の大統領暗殺を目論んだ爆弾事件に見られるように、IMU(ウズベキスタン・イスラム運動)が活発に活動してきたが、その後の治安当局による厳しい取締まり、2001年9月の米同時多発テロ以降の米国を中心とする対アフガン反テロ作戦の影響によりその活動は弱体化しつつある。しかし、IMUが完全に壊滅したわけではなく、IMU兵士の侵入を防止するためにタジキスタン、キルギス等の国境付近に地雷を埋設したり国境警備の強化を行っている。
2.地域情勢
(1)アフガニスタン国境周辺の地域:
アフガニスタン国境のアムダリア河の国境警備は厳重だが、タリバン崩壊後もテロが頻発する等アフガニスタン国内は、治安情勢も依然不透明な状態であり、同国情勢が悪化した場合には周辺国において不測の事態が生ずる可能性もあるため、アフガニスタン国境周辺の地域は、「渡航の延期勧告」の地域となっている。
(2)タジキスタン及びキルギスの国境付近の山岳地帯:
同地域は、IMUが武力侵入を試みる際の通路となるため、ウズベキスタン政府はIMUの侵入を防ぐ目的で、特に山岳地帯に多数の地雷を埋設しており、現在までに数十人の住民が犠牲になっている。従ってこの地域は「渡航の延期勧告」の地域となっている。
(3)フェルガナ州、ナマンガン州及びアンディジャン州:
同地域は、IMUにとっての戦略的地域だが、IMUは米国による反テロ作戦によって弱体化しつつあり、過去1年以上にわたり治安状況は安定している。したがって「渡航の延期勧告の地域」からは除外されたが、引き続き「渡航の是非を検討して下さい」の地域となっている。
(4)カシュカダリア州:
カシュカダリア州のハナバード空軍基地には米軍が駐留し、同基地がテロの標的となる可能性も否定できない。従って同地域は「十分注意してください」の地域となっている。また、2002年9月1日よりカシュカダリア州内のキタブ、シャフリサーブス及びカマシン地区は制限区域となり、ウズベキスタン外務省より特別許可証の取得が必要になっている。
(5)スルハンダリア州:
この地域は、米軍を中心としたタリバン及びアル・カーイダへの攻撃とその後のタリバンの崩壊及びアフガニスタン暫定政権成立等の諸情勢を通じ、治安情勢も安定してきているが、国境を接するアフガニスタンの治安情勢は依然として不透明なため、同地域は「十分注意して下さい」の地域となっている。
§2.観光旅行者の安全配慮事項(日本の外務省の注意情報より抜粋)
(イ)タシケント市内のバザールの様子をビデオカメラで撮影中、後方から来た男にビデオカメラを窃取されたり、また、バザールのような大変混雑した場所で買物時に大金を見せることにより、引ったくりの被害に遭ったりという事件が多く見られる。不特定多数の人が多く集まる場所で、これら犯罪に巻き込まれないよう十分な注意が必要である。最近タシケント市内において深夜に路上強盗が出没するとの情報もあるので、夜間の一人歩きは極力控えること。
(ロ)医療水準は不十分で、基本的な薬品でさえ揃っていない病院も多くあり、十分な治療を受けることは期待できない。持病のある人はもちろんのこと、健康な人であっても薬品類(特に下痢止めや胃腸薬)は多めに持参することがすすめられる。病気や事故などの緊急の際には、西欧諸国に移送して治療を受けることが必要となる可能性が高いので、日本を出発する前に、緊急救援アシスタントサービスが付加されている海外旅行傷害保険に加入しておくことが必要である。
(ハ)感染症については、特にジフテリア、肝炎(主にA,B型)、コレラ、狂犬病、破傷風、腸チフスに感染する可能性があるので注意が必要である。
これらの注意事項は、海外旅行としては当然であり、(イ)の窃盗や引ったくりは治安の良いヨーロッパでも多い。また(ロ)、(ハ)は途上国共通の注意事項と理解している。
§3.重症急性呼吸器症候群(SARS)に関する注意事項
世界保健機構(WHO)によるとウズベキスタンではSARSは報告されていない。
素人考えの私見ではあるが、SARSは冬に発生する可能性が高いので今から冬になる南半球が危ないと言われている。また北半球でも次の冬は再度流行する可能性があるとも言われている。このように考えると、7月のウズベキスタンは30〜40度の高い気温でありさらに乾燥地帯でもあるのでSARS発生の可能性は極く低いと考える。しかも航空機は、往きは成田発関空経由のタシケント直行便、帰りはタシケント発の成田直行便であり危険地帯は経由しない(何れもウズベキスタン航空)。この飛行機に香港、台湾、中国、カナダの人が搭乗することは少ないと思われ、その危険性の確率は日本国内同等と考えている。