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7.観光地の物売り
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 訪問した各箇所でいろいろ歩き廻った。バザールはウルムチ、カシュガル、ヤルカンド、ホータン、クチャ、トルファンなど行く先々で案内された。バザールは地元の人達のためのものであり土産物屋ではないので、物売りに付き纏われることはなかった。乾葡萄やナンを購入した時も安いので別に値切
ることはしなかった。

 当方は現地風俗が珍しいが、逆にウイグル人にとっては特にヤルカンドなどでは日本人が珍らしいらしくお互いにじろじろ見詰め合うことがあった。ウイグルの人は「オイ、オイ」と呼びかけてくるので日本語かと思いびっくりすることもあった。それと狭い売り場でもロバ車が入り込んでくるので人払いのため「ポーシ、ポーシ」と大きな声を出す。この時はすかさず道を空けないといけない。
 カシュガルでは道に迷って集合時間に間に合わないのでタクシーを拾った。ヤルカンドではホテルのキーを見せて道を訊いた。ウイグル人が多い所は危険との話も聞いたが、むしろウイグル人だけの所は安全であり、漢族と混じっている所が危険かも知れない。

 通りの屋台や、バスで移動中の寒村でナンや梨を買ったが、これらも1元〜3元と考えられない位安い。梨を帽子に溢れるほど入れ持ちきれずにいるとズボンの両ポケットにさらに梨を突っ込んでくれた。こちらも値切るつもりはないし先方も儲けようとはしていない。

 唯一大混乱したのはホータンのマリクワト故城である。バスが着くや否やロバ車が集まって自分の車に乗れと身体を強く引っ張る。混乱で転倒したロバ車もあった。秩序や順番の概念はここには無い。ロバ車に乗ってからも子供の集団が付き纏ってくる。百回「不要」と言っても2百回「買え」と要求してくる。子供らしい笑いや旅人を歓迎する雰囲気はない。大人も子供もたかりの集団である。
 なぜこのようになったのか? 「この地方が特に貧しいからだ」と言った人もいた。しかしそれだけではないと思う。ホータンは昔から玉の産地である。良質な羊脂玉を白玉河で見つければ百万円にもなると言う。そんなチャンスは有り得ないが、射幸心が身に着いて浅ましくなった所かも知れない。観光客がそれに輪をかける。他の遺跡ではこのようなことは無かった。

 景勝地の「天池」では悪名高いカザフ族の売り子が多いと聞いていたがそのようなことは無かった。「カラクリ湖」ではキリギス族の売り子がいたがそれほど煩くなかった。

 感激したのはクチャの結婚式の祝いの集会である。旅人の我々にも「食っていけ」と大きな皿に料理を出された。

 悪質だったのは西安の繁華街の子供である。「金は要らない」と言いながらズボンのポケットに花を突っ込む。突き返すと反対側のポケットに突っ込んでくる。そのうち道の真ん中で「ウヮー」と泣き出した。この時は幸い現地ガイドが付近を歩いていたので小額の金を払って追っ払ってくれた。危険な手口かも知れない。

                                       続く

                  2003年10月7日 記