慕田峪長城
2003年1月5日
北京郊外
寒そうに見えるが、風が無いので楽だった。 気温は氷点下であるが体感温度は暖かい。
この長城だけは映画撮影のためロープウェイが動いていた。 時間がないためこれを利用した。
日本製のロープウェイである。
北京の旅行記−2
旅行行程(続き)
次いで明の十三陵を見て北京市内に戻り、北京最大のチベット仏教寺院である雍和宮を訪れた。明の十三陵は深い地下にある皇帝の墓であるが、かなり修復されており古い遺産を見たとの印象は湧かない。雍和宮はこれまた日本とは全く雰囲気の異なる大きなチベット仏教寺院であり、感心はするが違和感を覚えた。
C1月5日は同じくタクシーをチャーターして司馬台長城(北京の北東150km)と、慕田峪長城(北京市内より北北東約90km)を廻った。団体ツアーの場合、通常は前日の八達嶺長城だけを見物するのであるが、それ以外にもこの2箇所は是非行って見たかった長城である。
この日は前日と打って変わって風のない小春日和となり、司馬台長城と慕田峪長城では快適な長城登山となった。それでも−2〜−4度である。司馬台長城は観光客がゼロに等しくロープウェイは休止中だった。
司馬台長城や慕田峪長城は観光シーズンでも日本人はめったに訪れないところであるが景色は素晴らしく長城は雄大だ。特に司馬台長城は八達嶺長城のように修復されておらず峻険な山並とあいまって素朴で一番雰囲気があった。
峻険な山々の峰に目視可能な限りまで延々と連なって建設された総延長6,700kmの長城の印象は予想以上であり、一言では言えない。現在では到底建設不可能なものを2,200年以上前より建設を始め、その後1,800年以上もかけて建設を続けたエネルギーに驚嘆する。
タクシー運転手によると、欧米人の中には長城を20〜30km徹夜で歩き通す旅行者も居ると言う。それだけの魅力はある。写真で雰囲気を見て欲しい。
1月4日の夜は京劇見物をした。動作は殆ど無いが大音声の迫力ある演劇である。
豪華な衣装の俳優が、猫のような泣き声で虎のように吠えて歌うかと思うと、一転して子犬が走り回るようなリズミカルな歌に変わる。そして大見得を切る。観客はどよめき、拍手をする。
日本で北京の京劇が上演されたことがあるかも知れないが、この一瞬の観客のどよめきや拍手はないと思う。観客と一体となった、洗練された舞台芸術なのであろう。
D 北京滞在中に徒歩で歩き廻った距離を地図上で計測してみた。
1月2日:17km、1月3日:19km、1月4日:11km、1月5日:6km、 合計53km歩いたことになる。
また1月4日と5日の2日間でタクシーの走った距離は550kmである。東京〜大阪の距離に等しい。日本でタクシーを 2日間チャーターするなど考えられない事であるが、今回の旅行において各観光箇所で支払った全入場料、タクシー含めての全交通料、食費全てを合わせても、日本で手配する団体ツアー料金と変わらない。さらにツアーでは故宮博物院を5時間かけての見学や、司馬台長城や慕田峪長城を訪れる事は出来ない。