ムリヤ・ゴンド族の歌垣
orissa024002.gif
オリッサ・バスタール民俗紀行のトップへ
写真−21
ムリヤ・ゴンド族の歌垣
ムリヤ・ゴンド族の歌垣
return.gif next.gif
2006.11.19
歌垣‥‥
全く期待していなかった舞踊が突然眼前に展開し驚いた。昨年のベトナム北部の少数民族ツアーで期待し、遂に見ることが出来なかった「歌垣」が、ここチャティッシュガール州のゴンド族には残っていたのである。3日前のジャグダルプールの民族博物館で「若者宿」のシステムが今でも残っていることが分かった。そしてこの「歌垣」があれば、続く「夜の忍び会い」は当然残っているだろう。

「若者宿」「歌垣」「夜の忍び会い」の3点セットからなる個人の意志が尊重され、かつおおらかな古代の自由恋愛の風習がこの地方には残っていたのである。

日本でゴンド族に関する民族関係の文献を調べて見ると、ある文献では「ゴンド族は略奪結婚が半数を占める」とか、別の文献では「ゴンド族の若者宿では性は開放的」とかの記述はあるが、これらの記述は上記の3点セットを正しく理解していないのではなかろうか。

上記の3点セットはアミニズムの強かった地域と多分密接に関係していると思うので、キリスト教系価値観の西洋の学者には理解出来ないのかも知れない。ベトナムの観光図書では「歌垣」のことを「ラブマーケット」と呼んでいた。とんでも無い誤訳である。またアミニズムの歴史が少ない中国の漢民族は「歌垣」を隠微な風習として軽蔑しているとも聴いた。別の文献では若者宿のことを「青年会議所」と訳していた。学者も夢がなくなったと思う。

歌垣‥‥未婚の男女が集まって歌を詠み交わし、舞踊をして配偶者を探した 古代の行事