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ウー・ベイン橋
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写真−60
ウー・ベイン橋
撮影地:アマラプラ、ナンハゥー村
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2011_2_22
世界一長い木造歩道橋のギネスブックは本当か?(ウー・ベイン橋)‥‥
寂れた古都のアマラプラで、感動的で素晴らしい木製の歩道橋を見た。
ウー・ベインは、インワからアマラプラに遷都された際の市長の名前。さびれかけたインワの旧王宮からチーク材を選び、全長1.2k mの木造の橋を造った。162年前のことである。現在は乾季で橋の下は地面だが雨季には延々と1.2kmの水上橋となり、その長さは隅田川(浅草近辺)の川幅の5〜6倍もある。修復を重ねながらも現役の橋として利用されている。昨年の洪水で中央部の極く一部の橋脚がコンクリートになった。

橋は482径間であり、一径間は約2.5mとなる。橋脚(柱)の数は1086本であり、径間数と整合しないのは、途中に何箇所も休憩所があり、柱が増えているためである。

この時代、この地点で、これだけの長さの木橋を造ったことは凄いと思う。昨年旅行したバングラデシュでは地場産の竹材のみを使用した変幻自在な竹橋の歩道橋があったが、それと並んで素晴らしい橋を見せてもらった。先端技術のない時代でも、合理性の極致とも言える発想により橋梁工事が行われている。橋梁建設をライフワークとしてきた経歴もあり、このような橋を見るのが大好きである。

ネットで調べてみたら、世界一長い木造歩道橋として、静岡県島田市の大井川に架かる「蓬莱橋」(竣工1879年)がギネスブックに認定されているとの記事があった(平成9年12月30日認定)。長さは897.4mである。(島田市ホームページ)

対して、ウー・ベイン橋は長さ1.2kmあり(Google Earth にて確認した)、建設は1849年である。橋長と建設年次、どう見てもこちらの方がギネスと思うが‥‥‥。 
疑い深い人は Google Earth にて、北緯 21°53'30.36" 、東経 96° 3'17.52" を確認して欲しい。


私の観察が正しいとすると、世界一長い木造歩道橋「蓬莱橋」のギネスには下記条件を付加する必要があるかも知れない。

「申請当時調査可能な地域(国)の中では世界一長い木造歩道橋」、または、「直線の木造歩道橋では世界一長い」(ウー・ベイン橋は平面的に折れ曲がっている)。

そもそも、橋は建設当時の文化、技術を伝えるものであり、長さや高さなどで優劣を比較するものではない。