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草原の国モンゴル旅行記
2004年7月8日〜7月15日、草原の国モンゴルのカラコルム、ツェンケル温泉、
ツェツェルレグ、ウランバートルに行きました。写真集と併せてご覧下さい。
1.草原の中の道路
 今回の旅行では9人のツアーメンバーと添乗員・現地ガイドが、ウランバートルからカラコルムへ、さらにツェンケル温泉、ツェツェルレグへと大草原を四輪駆動車4台に分乗して走行した。走行距離は地図で大まかに測ると約1,500km、走行時間は合計30時間以上にもなる強行軍であった。

 その間の雄大な大草原の風景は写真で見て頂きたい。草原の地平線の遠方には山並が見られ、それを越える時も何時峠を越えたか分からないような滑らかな山脈が多い。
 これらを単調な風景と見る人も居たが、ゴルフコースのような滑らかな草原あり、凸凹草原あり、石ころ道あり、また遊牧民の放牧風景、点在する白いゲル(遊牧民の住居)など走っても走っても退屈しなかった。

 四輪駆動車の窓からは草原に棲むリスのような小動物やナキウサギ、鷲、ツルなどが時たま見られ、休憩したお花畑では蝶々のアポロが群舞?していた。草原以外にも河川や湖、山間部には樹林地帯もあった。

 舗装されているのはウランバートル〜カラコルムの一部分だけであり、その他は工事中の回り道か、草原そのものが道となっており、激しい車の揺れと細かい砂埃に絶えず悩ませられる。
 遠目には滑らかな草原も近づけば凸凹である。我々の若い4人の運転手も長時間の激しいハンドル捌きとブレーキ操作で相当疲れていたようだった。

 途中小さな小川が数箇所あったが、そこは道路がなく四輪駆動車が川の中を突き進んだ。2台が川の真ん中で立ち往生したが、先に無事渡河した四輪駆動車がロープで引っ張る場面もあった。

 タイヤは2回バースト(パンク)した。運転手達は手際良くタイヤを交換する。バーストしたタイヤはホイルから外してその場で捨ててしまうのだが、タイヤを外す方法が面白い。日本なら機械を使わないと頑丈な四輪駆動車のタイヤは誰も外せないと思うが、彼らはバーストしたタイヤを地上に置き、何度も四輪駆動車の重量をかけて踏み潰して大した道具も使わずに外してしまった。
 この国では車検制度などなく故障した時に直すのが当たり前なので、道中あちこちでバーストしたタイヤを交換している風景に出合った。

 大草原の中で他のツアーの大型観光バスが羊毛運搬のトラックと衝突して前部を大破していた。幸い怪我人は居なかったようだが、このような悪路を二輪駆動の大型バスで走ったらどこでハンドルを取られるか分からない。モンゴルの草原は完全に四輪駆動車の世界である。
 我々の四輪駆動車は日本製の中古でニッサンが2台、トヨタが1台、スズキが1台であった。

 大草原の中には道路標識など勿論無く、我々の地元運転手も何度も遊牧民に方向を尋ねていた。感心したのは多分ドイツ人だと思うが、キャンプ道具を四輪駆動車に積み込み案内人もなく走っていたことである。

 当初はカラコルムからオルホンの滝へ行く予定であった。しかしたカラコルムのゲルで添乗員がドイツからの観光客より聞いた情報では、途中2箇所の川が増水して四輪駆動車でも渡る事が出来る可能性は五分五分で、迂回すれば14時間かかるとのこと。ツアーメンバー全員の賛同でツェツェルレグに行き先を変更した。モンゴルでは少し田舎になればこのようなことは珍しくないらしい。

 去年訪問した中国の新疆ウイグル自治区では広大なタクラマカン砂漠の中を凄い勢いで道路整備工事が行われていたが、経済力のないここモンゴルでは幹線でも舗装工事は遅々として進まないようである。

 書き始めたら限がないほどいろいろな事がある草原の道路事情であった。 続く

                              平成16年7月16日 記