森林垂直分布図
kinabalu052002.gif
キナバルのトップへ
写真−68
キナバル山の森林垂直分布
本図は フォトレタッチソフト Photo Crew にて作成した
return.gif next.gif
森林限界‥‥
キナバル山の森林限界は3500mである。そこから上方は荒涼とした岩山地帯となる。
一年前に訪れたパタゴニアのウシュアイア(アンデス山脈の先端)の森林限界は、標高600mであった。この地は緯度が極端に高く気温が低いためと説明された。なお富士山の森林限界は、5合目近辺の標高2400mである。
キナバル山は北緯6度05分、富士山は北緯35度22分、ウシュアイアは南緯54度48分である(Google Earthで調べた)。気候、植生は緯度に大きく依存していることを実感した。

富士山では森林限界の上方に当たる標高約2400〜3200mに、砂状や小石状の火山噴出物に覆われた火山荒原(スコリア荒原)が広がっており、この荒涼とした斜面には、乾いた場所を好む草や低木が自生している。そこには、高さ50cmほどのオンタデが風や積雪に負けまいと地下に根を伸ばし、毎年7〜8月に薄黄色の鮮やかな小さな花を咲かせている。
キナバル山にはこれに該当する地帯はなく、僅かな植物が岩の間に生育する岩盤植生があるが規模は小さい。

本サイトでは、写真の説明の中で、各地帯の植生等の解説を加えてみたので、興味ある方は一読して欲しい。植生や動物の種類が豊富なボルネオ島では、登山以外にこれらを観察する楽しみも多かった。

当然のことだが、各森林帯の境界は場所により多少高度が変わっているが、ここでは代表的な数値を採用した。小さな数値の違いを論じるのではなく、全体を大きく捉える事が先決と思う。なお、説明では富士山との対比を多用した。