アイスランド東部海岸
写真−70
ハトラオムスタジール森林(植樹林)
2009.7.14
14:02
森の無い国(1)‥‥
この日は時間に余裕があったのでハトルオムスタジール森林を散策した。森林局が管理する2000haの植樹林で、ここだけで150万本/年(国全体で600万本/年)の植樹がされているという。
アイスランドの森林事情は良く分からない。地質学者の見解として、次の趣旨の記述があった。
車で何時間走っても溶岩台地のような景色が続いている。森も林もない。コケと少しの草が生えているだけで、ところどころにまばらに木が見える程度だ。その木も、目を凝らさないと分からない位の小さなものなのが普通である。
地中からわきだしたマグマが固まってから何百年かたつと、そのうえにコケが生える。さらに時間がたつと土らしきものが岩のへこみにたまってきて、雑草やごく背の低い木が生える。その木はびっくりするほど小さくて、20年もたった木でも高さは20〜30cmしかない。土が痩せているうえに風が強くて気候が厳しいために、木が大きくなれない。アイスランドは地球の歴史から見れば出来たばかりの島だから、土は殆どない。‥‥‥
確かに南部を旅行した時には、ただ広大な溶岩台地が広がるだけで樹木はなかった。また、内陸部や山岳ルートも、広大な火山灰の台地か、溶岩が砂礫化した台地で、草はあるものの大きな木はなかった。木が育たない地質であることは素人目にも理解できた。鬱蒼とした森林を見たのはエイルススタジール郊外の森林局が植樹を行っている森林公園だけであった。
しかし、現地ガイドに頼んで取り寄せた森林局のパンフレットの記述はニャンスが多少異なっていた。曰く、
アイスランドを訪れる旅行者は、アイスランドが自分の国より寒く、しかも森林がないのを見て、アイスランドは森林が育つには寒すぎるのではないかと想像し、目の前の低い森や、曲がったカバノキでそのことを確信する。しかし、森林がないのは過去の土地の使用法が原因であり、気候のせいではない。 (続く)