アイスランド東部海岸
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写真−54
ブランズゥスディンドウ山
ゼオライトが産出する玄武岩の「聖なる山」
ブランズゥスディンドウ山(1068m) 
2009.7.13
18:30
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岩山が土になる過程‥‥
ホプンからしばらく走った地帯で、面白い岩山が数多く見られた。高い岩山の中腹から下に向けて大量の砂礫が流れ出し、安息角で堆積していた。岩山が長い時間の経過とともに風化し、砂礫になって転がり落ち、最後には土になるのであろう。

他にも南部の海岸地方で、興味ある溶岩台地を数多く走り抜けたが、場所ごとに溶岩台地の生成の歴史と性格は異なり、素人目にも面白かった。もし、ツアーメンバーの中に地質学者がいたら面白い解説が聞ける場所がたくさんあるようだ。しかし、このような面白い場所に限って、バスは情け容赦なく猛スピードで通過してしまう。

アメリカのNASAは月面着陸のため、アイスランド内陸部のアスキャ地方と、今回通過した南部海岸の月面と同様な地形の場所で、宇宙飛行士の訓練を行ったが、この特色ある地帯もバスは猛スピードで通過してしまい、やっと止めてもらった所はもはや風景が異なっていた。ツアーは学術調査団ではないので致し方ないが。

ホプンの町から海岸線を東に走る環状一号線の風景は、それまでの南部海岸とはかなり異なる。ホプンから東は、1000万年前の古い火山活動によって流れ出した溶岩が所々で顔を出しているものの、古い溶岩は風化し、土地と同化するかのように多くの草木を育てて、穏やかに見える。ヴァトナヨークトル氷河の前後で見た若々しい南部の海岸線にある溶岩とは、印象が異なる。 

デューピヴオーグルの町までは、フィヨルドの風景を見ることは少なかったが、デューピヴオーグルを過ぎると海岸線近くまで岩山がせり出し、フィヨルドの景色が続くようになる。フィヨルドと言ってもノルウェーで見られる氷河が削った断崖絶壁が続くフィヨルド(写真でしか見たことはないが)ではなく、火山活動による隆起、沈下により形成されたものなので、比較的なだらかなフィヨルドである。