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随想:フィットネスクラブに通う
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§9.清々しい体育会系
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私の経歴は工学系であり、親戚にも文化系は多いが体育会系は全く見あたらない。体育会系は頭が悪くて他のことが出来ないから体操ばかりしているのだろうと小さい頃は思っていた。それと偏見ではあったが、体育会系→暴力→ヤクザ、とのイメージもあった。

フィットネスクラブのスタッフを見て、その感想は変わった。スタッフもインストラクターも実に感じが良い。
フィットネスクラブは接客の善し悪しが評価に大きく影響するので、企業としての社員教育やマニュアルがしっかりしているためとも説明出来るが、それにしても全員が清々しい雰囲気である。
較べて、客の方が、男も女も、老いも若きも、はるかに礼儀が悪く身勝手である。私が勤めていた会社の若い社員もこれ程には気持ちよい雰囲気を持っていなかったと反省する。私の会社の社員は大半が工学系である。
このように書くと工学系から反論されるかも知れない。「体育会系は単純な仕事しかしていないから雰囲気は明るいかも知れないが、工学系は難しいことで日夜悩んでいるので楽しい顔にはなれないですよ」。そうかも知れないが、その理屈だけで体育会系のスタッフに評価を与えないのは間違っている。

「エアロビクス」のインストラクターは曜日によって異なるので、試しに5人ほどの違ったインストラクターの教室に参加してみた。皆若くてスタイルの良い女性か格好良い男性であるが、指導法は微妙な違いがある。経験の差もあるのだろうが、早くステップを覚えることが出来るインストラクターと、何回やっても覚えられないインストラクターがいる。
教え方が上手なインストラクターは、易しいステップから難しいステップへ移行するときの生徒の理解の手順が分かっているようだが、そうでないインストラクターは生徒に関係なく自分の技術の披露に止まるので、生徒はなかなか習得できない。

この違いはどこの教育現場にもあり、生まれつき授かった人間性と能力の差によるものと思うが、小学・中学時代にどれほど能力のない先生に教えてもらったか今更ながら思い出してぞっとする。指導に対する情熱の差も大きい。
従ってこれも体育会系の問題ではない。フィットネスクラブの各インストラクターの指導技量の差は、小学・中学の先生の指導技量の差よりはるかに少なく、かつレベルは高い。

次に、「ヨガ」や「気功」にも同じ事は言えるが、これらは上記に加えてそれぞれの教室で内容が全く異なっている。流派による違いがあるのかも知れない。
従って、街中でも個人でこれらの教室を開いている看板を見かけるが、内容は多分相当異なっているだろう。中には妙な新興宗教の信者獲得の手法になっているものもあるとか。これも体育会系とは関係ない事項である。 

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