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随想:フィットネスクラブに通う
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§8.スポーツ雑誌、テレビコマーシャルなどについて
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フィットネスクラブの入会前後に数冊の関連書籍を、図書館あるいは本屋の立ち読みで読んだ。内容は「体脂肪率の減少方法」とか「筋肉トレーニング」に関するものである。

今までこの系統の本は全く読んだことがなかったので、最初の1冊は新鮮で得る知識が多かった。しかし2冊目以降はどれを読んでも内容は同じで失望した。説明の順序や挿入された説明図などは違うが、基本的には同じことが書かれており各書物の特徴はそれほどない。本屋の健康コーナーあるいはスポーツコーナーには同類の書籍がたくさんあるが、どうして皆同じ内容なのであろうか。2冊目以降はサプライズがない。例え内容は同じでも説明の方法や解釈の切り口はもっと個性があっても良いと思う。

意地悪く考えれば、独創性ある研究をした人はそれほど多くなく、多くの人は独創性ある人の結果をつぎはぎ編集しているだけではなかろうか。

話は変わるが、最近若者向けの健康雑誌やファッション雑誌を見る機会が増えてきた。フィットネスクラブの休憩室にこれらの雑誌類が備え付けられているからである。
これらの雑誌類も従来は読まなかったので最初の間は面白かったが、上記と同じ理由で段々サプライズが消えてきた。
内容と体裁は若者向けで、主として30〜40代の人が原稿を書いているのであろう。キャッチコピー的表現が多く安易な記事が多い。しかもある程度の数の雑誌に目を通すと、同じ内容で表現を多少変えたものが多いことに気がつくようになった。どうして、このような同じ内容の雑誌を長年月にわたって愛読するのであろうか。
総じてハウツー書籍は個性が無いと思った。

批判ばかりするようだが、テレビでダイエットのための「健康器具」のコマーシャルが盛んに放映されている。深夜のBS番組は大半がこの関連である。
番組では「Before」と「After」の写真が示され、「健康器具」を使用した1ヶ月後のウエストの計測結果に被験者が大げさに驚いて喜んでいる場面とインタビューが繰り返えされる。この場面はどう見ても「やらせ」であり、被験者の喜びの顔は詐欺師の顔である。「健康器具」を使用開始してから1ヶ月後のテレビ収録時まで途中でウエストの計測をしなかったことはあり得ないし、「Before」と「After」の写真はどのようにでも画像処理可能である。

開発に携わったとされる学者の説明もあるが、後で責任が及ばない範囲だけ巧妙に説明をして、それが製品全体の説明のような印象を与えている。さらに「個人の感想であり、結果は保証するものではありません」などの文字を小さく流し、クレームに対する責任逃れをしている。
その証拠にダイエットに満足に成功したと感じる女性は1割にもならないとの記事を読んだ記憶がある。
「痩せる薬」もあるだろうが、運動をせずに「薬」だけで健康的に脂肪を落とすことが出来るとは思えない。効果があるように見えても想定外の「怖い副作用」があることも想像される。

どのような「健康器具」を用いるにしろ、脂肪を燃焼するためにはそれに対応した運動量が必要であり、その運動量は漠然とイメージするより遙かに大きな運動量である。
私の経験では 10km歩いて僅か62gの脂肪しか燃焼しない。従って「健康器具」を用いた場合でも 10km歩いたのと同等な運動量をこなして始めて 62gの脂肪を燃焼する。しかしテレビコマーシャルでは、「健康器具」を使えば僅かの運動量で痩せるような「印象」を巧妙に視聴者に与え、それに視聴者は騙されている。
 
§9.へ
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