宇宙事業団9
仕組みは簡単で素人向き(?)だが一度火が点くともう止まらない個体ロケット
ロケットの速度を上げるには、良い燃料を選ばなければなりません。
歴史上最初のロケットとされる中国の「火箭」以来、火薬を燃やして飛ばすのが当たり前でした。
しかし19世紀にダイナマイトが発明され、ニトログリセリンを使うとそれまでの黒色火薬の2倍以上の比推力が得られることがわかりました。
ロケットは燃料のタイプによって固体ロケットと液体ロケットに分かれるのですが、これは固体ロケットの燃料の原型といえます。
宇宙に出ると空気から酸素を供給できませんから、現在の固体ロケットの燃料には酸化剤が混ぜてあり、最新式の固体ロケット推進剤は黒色火薬の約3倍の比推力があります。
一気にたくさん燃やせるため、力持ちのロケットを作ることができます。
一方液体ロケットは、水素や酸素を冷却して圧力を加え、液体にしてタンクに詰めてありめす。
水素や酸素をバルブで送り出すので燃焼を細かくコントロールすることができ、比推力も黒色火薬の4倍から4.5倍と固体燃料より優れています。
固体ロケット、液体ロケット、それぞれにメリットもあれば扱い難さもありますが、仕組みが複雑な液体ロケットよりは、いってみれば火薬と酸素を混ぜた推進剤に火を点けるだけの固体ロケット方が素人には向いているかもしれません。
ちなみに、宇宙空間に出てから制御しやすい液体ロケットをベースに、発射時には力持ちの固体ロケットを脇に抱えて地球の引力から飛び立つとゆうのが、現在の多くのロケットの姿です。
固体ロケットの力を借りて無事大気圏を突破すると、燃焼して外に噴出してしまった推進剤の重量だけ、ロケットは身軽になります。