宇宙事業団8
宇宙に出るために必要な速度は毎秒7.9キロメートル以上
あなたが宇宙ロケットを飛ばすなら、「宇宙に出ていくには一定以上のスピードがいる」という事を忘れるわけにはいきません。
車でも電車でも飛行機でもスピードが速かろうと遅かろうと目的地に着くことはできます。
のろいと時間が掛かるから速度を上げるだけの話です。
ところがスピードが遅いロケットでは、いくら時間をかけたとしても月に到達することはできません。
早い話がのろいロケットでは、遠くまで飛ばすことはできても結局地球に落っこちてきてしまうのです。
飛行機なら、目的地に着けば最終的にそこに「落っこちて」行けばいいのですから、スピードはそこそこでかまいません。
ところがロケットは、地球の引力に引きずり込まれないだけのスピードを獲得して落っこちていかないようにする必要があります。
仮に地球に空気がないとすると、毎秒7.9キロメートルの速さで地平線と水平に飛ぶ飛行物体は、地面に落っこちることなくぐるぐる回りつずけます。
つまり遠心力ですが、地球の周りを回る物体に働く遠心力と引力とがちょうど釣り合う速さが毎秒7.9キロメートル(第一宇宙速度)なのだと考えてのいいでしょう。
さて、毎秒7.9キロメートルとあっさり言いましたが、いったいどれぐらいのスピードなのでしょうか?
一分間の飛行距離を計算してみると474キロメートル、1時間では28440キロメートル・・・数字が大きすぎてなんだかよくわかりませんが、要するに、東京ー大阪間を約50秒で通過するほどの速さです。
ペットボトルロケットでは飽き足らずに宇宙をめざすなら、最低限、このスピードが出せるロケットを作ることが、あなたの目標となります。
さらに速度を上げていくと、より地球から離れていく楕円軌道の上を飛行するようになります。
そして毎秒11.2キロメートル(第二宇宙速度)に達すると完全に引力圏の外に出て行ってしまいます。

今度は地球よりも引力の強い太陽の周りを回る軌道に乗るのです。
なおも飽き足らずに速度を上げると、毎秒16.7キロメートル(第三宇宙速度)で今度は太陽の引力圏さえ脱して完全なる宇宙の旅人となります。