レポート
私が見た しのだ選挙
■流れが変わった
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<04年2月10日更新>
告示の日(11月3日)は冷たい雨だった。
どの選挙でもそうだが、告示と同時に戦いは終盤戦を迎える。篠田は新潟市役所前で第一声を上げ、陣営はそれを合図にフル回転に入った。
新聞、テレビの報道も今度は増える。篠田の知名度は上がった。
新潟日報が世論調査をもとに選挙情勢を報道した(11月6日)。前助役がやや優位に戦いを進め、篠田が追い上げている――という。篠田の力量を測りかねていた市民には、貴重な情報だった。
のちに私の知人が明かしてくれた。
「おれは篠田はだめ(前助役に敗れる)と思っていた。が、世論調査でかなり接近していると知って、ひょっとしたら…という気になったんだ。ずっと棄権してたけど、初めて投票所に行ったよ」と。
外からの“うれしい逆流”が起きたのは、この後である。
◇
支持者を名乗る電話が急増した。
「名簿を作ったが郵送では間に合わないのでFAXする」「仲間と会合を持つ。篠田の話が聞きたい」「今の市役所はひどい。実態を聞いてくれ」
人も来た。
「私も何か手伝いたい」「うちは会社あげて応援する」
みんな差し入れ、カンパ持参だった。
「雨の中でも握手を求めて駆け寄って来る人が増えた」「団地に入るとすぐ暗かった窓に次々と明かりがつき、中から人が飛び出して来た」。逆流は最前線を回る篠田の周りでも起きていた。
篠田を推す市議に、経済界の有力者が「流れが変わったら教えてよ」とささやいた――という話を聞いたのもこのころである。“保険”を掛ける動き、勝ち馬に乗ろういう動きだった。
(時間がほしい。時間があれば逆転できる…)
だが、投票日は目前に迫っていた。
(敬称略)
(しのだ昭応援ボランティア・小泉)
追いついた 逆転だ