その他のクワガタ・カブトムシ(続き)
カブトムシ
産地 日本
体長 ♂27〜80mm ♀35〜48mm
カブトムシは、北海道を除く日本全国に分布する。 元々は森林に棲んでいたものと思われるが、人の農業活動により作り出された里山や堆肥といった環境に良く適応し、繁殖してきたものと思われる。夏の雑木林では主な樹液のポイントを独占してしまう王者であり、スズメバチさえ敵わない。
飼育について
幼虫の飼育は別項にまとめるので、ここでは成虫の飼育について説明する。 まずマットは出来るだけこなれたものを用意する。クワガタの喰いカスマットでも良い。我が家では前年の幼虫が羽化した後、そのままのマットを使用している。
もし、 新品のマットしか手に入らなくても全く産まないという訳ではないので心配は要らないが、針葉樹が混じっているようなマットだけは絶対に避けなくてはいけない。 パッケージに広葉樹100%という表示が無ければ使わない方が良い。
次に水分量だが、 軽く握って団子が出来る程度に加水する。 乾燥しているよりは水分過多の方がましだが、あまりに加水しすぎるとマットが腐敗してしまうので注意が必要だ。
最後に、 カブトムシの♀は産卵のためにマットの中を動き回るが、 力が強いためせっかく産んだ卵や孵ったばかりの幼虫を傷つけてしまう事がよくある。 このため、 飼育ケースを複数用意しておき、 2週間ごとに成虫を取りだして移し換えてやると上手く行く。 ただし、 幼虫が採れすぎてしまう事があるので、 あえてこのローテーションを取らないで数を制限する方法もある。
トピックス
カブトムシはクワガタムシ以上に繁殖力が旺盛で、 クワガタムシが繁殖のために朽木を必要とするのに対して腐葉土のある場所のほか堆肥の中など意外な場所でも繁殖出来、 より人の作る環境に適応している感じがする。 このため、 クワガタムシがいないような場所でも見かける事がある一方、 本来いないはずの北海道でも本土から持ち込まれたものが繁殖し問題になっている。
さらに、 日本産と同じ種類のものが朝鮮半島から中国、タイのあたりにまで分布しているが、 これらの地域のカブトムシが輸入され国内で販売されている。こうした外国のカブトムシが野外に放された場合容易に繁殖することが推測され、 国内産との交雑あるいは国内産が駆逐されてしまう事態が起こる事が懸念されている。早急に対策を取る事が求められる。