水力発電所

発電所はいったい何をするところか?
もちろん電気を作る場所である。
家庭や会社などでは、スイッチを押せばすぐに電気がつき、当たり前の様に使っている。
まるで勝手に電気が生まれているかの様に。
当然ながら電気は自然に発生しそれを使っているわけではない。
発電所で電気が作られ、送電線で変電所へ送られ、街中の電柱を通じ、変圧器で変圧され、そして各家庭に入る。
発電所の発電機で作られた電気は、3つの位相による電気が生じ、それぞれの相による電気が発電所から家庭まで届いている。
3つの位相とはどういうものか。
まず電気が起こる仕組みを考えてみる。
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S極とN極の磁石の間で、電線をぐるぐる巻きにしたもの(コイル)を動かすと、そこには電流が発生する。磁界(磁石の間)、コイルの向き、電流はその位置関係によって発生する向きが決まる。これはフレミングの右手の法則により決定される。
円筒に3つのコイルを120度の間隔で取り付ける。
その円筒を磁石の間で回転させると3種類の相の違う電気が発生する。
簡単に言うと、一つの発電機で3種類の電気が発生することになる。
これを三相交流といい、三相交流電力を3本の電線・ケーブルを用いて供給する配電方式を三相三線式という。
送電線や配電線のほとんどが三本一対になっているのはこのためである。
鉄塔についている電線のほとんどは、3本、6本、9本、12本の電線からなる。
同様に電柱の一番上の高圧の線(平行に走っている線)も3本になっている。
これは相の違う電気がそれぞれ流れているためだ。

発電所から家庭まで、3種類の電気が流れている。
ちなみに送電先が小容量の場所には電線が2本になっていることもある。
ドライブをしていて、道に迷った時に電線を見上げると、3本あったはずの高圧の電線が2本になり、そしてなくなってしまう(低圧だけになったりする)と、それはほとんど行き止まりや車では入れない場所になったりする。
道に迷ったときは電線を見てみましょう。
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前記のとおり、この磁石の間でコイルをぐるぐる回しているのを発電機といい
タービン発電機、またはタービンと言います。
このタービンが入っている建物を「タービン建屋」といいます。
規模の小さい水力発電所などは、このタービン建屋しか建物がない事が多くあります。
水力発電は、水の流れる力を利用してこのタービンをまわしています。
高い場所から水を落とし、その水の勢いで水車を回し、タービンを回転させ電気を作っています。
水力発電は、水という再生可能エネルギーを使用するため環境に優しい発電と言えます。
また水資源が豊富にある日本では、水力発電に適した場所とも言えます。
反対に、水力発電は山間部に多く存在し、都市までの送電に費用がかかる。
また、新たに建設しようとすると山の開発、生態系への影響といった問題も抱えています。
日本において一番適した発電方法とはなにか。
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