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廃墟になっている建物の場合、建築主の倒産を多く目にします。
そしてその建築開始時期は、バブル期後期から崩壊後のものが多いこともわかります。
バブル期に建築計画が始まり、融資が決定し建築を開始しようとしたところでバブルの崩壊が始まる。しかし建築の為の融資を受けてしまった以上、その融資を他の事業に流用すると詐欺行為になってしまう。仕方ないので建築が始まるも、やはり資金繰りが困難になりそのまま計画が止まってしまうというケースが多い。
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バブル期、建築を開始した企業がバブル崩壊と共に倒産。
元請の倒産で下請けも連鎖倒産。

バブル期は完成払い(建物が完成した時に支払う金額)の割合が多かった。
若しくは全額完成払いというところもあった様だ。
しかし、完成払いの割合が多くなるとその分リスクも多くなる。
もし元請が倒産などしてしまった場合、下請けはそれまで建てて来た立て替え資金が支払われなくなる。2次3次下請けが同様に資金がなくなり連鎖して倒産する。
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そこで、前払い、出来高部分払い(または出来形払い)という事が重要になる。
ある程度まで完成し検査し、それまでの分を支払い下請けのリスクを減らし、
連鎖倒産の防止を図る。
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国土交通省における「現行の支払い制度について」によると

150日までの工期の工事は前払い金のみ

150日から180日までの工期の工事は前払い金4割、中間前払い金2割、完成払い4割(1千万円以上、かつ150日を越える工事が対象、工期の2分の1を経過し、かつ出来高として1/2以上できた段階で中間前金として2割)

180日を越える工事は前払いその1は契約時に2割、前払いその2は2割(出来高として1/5以上、もしくは、規定された工期を経過した段階で前金として2割)出来高部分払いは出来高に応じて合計5割まで、完成払いを残り

などとうたわれており、下請け業者のリスクを減らしている。
とはいえ、出来高の算出が困難などの理由などによりこの制度が活用しきれていないのも事実だ。これは現行によるもので、バブル期のものとは異なる。
バブル崩壊後、連鎖倒産が相次ぎこうした制度を活用していこうというのが流れだ。
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