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さてこの廃墟、建築途中で止まってしまって20年以上の歳月が流れている。
見た目にはしっかりしているのだけれど、真っ暗な廊下にポッカリと開口部が何箇所もあったり、もちろん鉄筋むき出しで目の高さにあったり、崩れた穴に落ちるとこんな水の貯まった場所が何箇所もあったりと、とにかく危ないところ。ここの水深は軽く5メートルはあるが、この満水の状態はそれだけ長い間誰の手も入っていないことを示している。高い天井にはコウモリが大量に住み着き不気味な羽音を響かせている。
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写真では明るく見えるこの場所も、実ここが地下になっているため光が差すところ以外は真っ暗。なんだか昔に比べて暗いところが少々苦手になってきている自分がいる。
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地上7階、地下1階の計画だったようだが、この廃墟は地上2階、地下1階で工事が止まって放置されている。しかし上へは伸びていないが横に長い長い。
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もしこのマンションが完成していたら、この辺りではかなり大きい目立つマンションになったはず。景観を損ねかねない大きなマンションか、このまま廃墟として荒れたまま放置されるか、どちらにしても周辺住民にとっては一目置く存在になっているのかもしれない。
完成すれば規模はかなり大きなマンションになったはずのこのマンション。今は地上2階までの高さしかないので、草木に覆われているがとにかく横に長いので前を通る道から見ると廃墟独特の荒れ方が目を引く。形を崩した策、自由に伸びきっている草木、木々の隙間から見える黒ずんだコンクリートでいかにも廃墟という感じがする。建築途中の廃墟はシッカリしているように見えるがかなり危険な場所で崩壊系廃墟とその危険さは肩を並べる程。建築主も建築会社も不明になったこの廃墟は、周辺の住民や学校からしたら目の上の瘤でしかない。バブルが生んだ負の遺産は、今も形としてそこに残っている。
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