勤民殿

溥儀が登極して朝賀を受けたりする場所である。宝座には王族の印である「蘭花徽」がつけられ、床には鳳凰の図案が描かれた五色の絨毯が置かれる。

1934年3月1日、満州帝国大元帥の服装をした溥儀はここで文武百官の朝賀をうけて皇帝となった。満州国「独立」以来、満州は共和国であって溥儀は執政 とされたが、このときから皇帝となり、元号も大同から康徳に帰られた。

これに先立って、1932年5月リットン調査団がここに来た。そのときは、関東軍司令官板垣征四郎が陪席して、日本の満州に対する動きについて公開弁護を した。リッ トン調査団の報告は10月に出されることになっていて、満州国を日本の傀儡政権とする報告が出る公算が強かった。これに機先を制するために、日本が満州国 を正式に承認するという趣旨の日満議定書を1392年9月に調印した。その場もここである。

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