唐泊(福岡市)
万葉句碑(東林寺)

福岡市西区、志摩半島の東側にある。福岡からは約25qの距離である。遣新羅使がここで風待ちをして新羅に向かったため、「韓亭」と言われていた。万葉集にもここで風待ちをしていた遣新羅使が詠んだ句が6首残されている。

736(天平8)年、博多の荒津の浜を出発して韓亭で3日間風待ちをしていたとき、夜月を眺めながら思いを述べたものである。
唐泊港から高台に登ったところに、東林寺がある。栄西が二回目の渡宋のあと建てたとされる寺であるが、この境内に、このときに詠んだ句のうち一首を刻んだ 句碑が置かれている。

「韓亭、能許の浦波立たぬ日は、あれども家に恋ひぬ日はなし」

能許浦に波の立たない日はあっても、家を恋しく思わない日はないというものである。

博多湾一帯は元寇の被害の大きいところで、各地に防塁が築かれた。今でも所々残っている。このように、朝鮮半島からの入り口の位置を占めた海が、博多湾であった。

筑前国志摩唐泊之図(案内板) 唐泊から能古島を見る 今津元寇防塁
    
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