末山里古墳群(1)
末山古墳群

安羅伽耶の中心地にある古墳群で、王陵クラスのものとされる。南北に延びる600mの主稜線とそこからわかれる8つの支稜線に39基の古墳が累々と連なっている(数は資料により異なる。木槨墓を含むと1000基を超える)。丘陵の最も高いところに大型古墳があり、そこから尾根筋にそって数基の古墳が連なる。大伽耶では、一本の尾根にそって古墳が累々と築かれるが、それとはずいぶん雰囲気が異なって見える。王権のあり方が異なるのかもしれない。

また、古墳群の北側稜線上からは、アパートの工事中に偶然木槨墳が発見された。そこから馬甲が発見され(写真は次のページ)、安羅伽耶に強い軍事力があったことが推定された。その一方で古墳から発見される冠帽や甲冑大刀のようなものが、外の地域より少ないという特徴もある。

この地域の古墳も他の地域と同じく、4世紀までは木槨墳で、5世紀以降大型竪穴式石室墓が登場する。ただ、4世紀以前の王陵クラスの古墳が発見されておらず、中心勢力が外の所にあったかもしれない。

4号墳は1917年に発掘されたが、当時伽耶の地域で匹敵するものがなかったほどのもので、車型土器などがでてきている。石室は竪穴式であるが、横に入り口がついたものである。5世紀のものとされる。

3号墳 4号墳から37号墳 1号墳から8号墳(先端)にのびる支線

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