王塚古墳(桂川)
王塚古墳 石室と壁画の説明板

王塚古墳は6世紀に作られた前方後円墳である。1934年に採土工事 の途中に発見されたため、墳丘の半分以上が失われている(前方部の裾部を残して復元された)。石室に一面に壁画が描かれている装飾古墳ということで知られ ている。石室の構造は北九州式で、石室下部に大きな石が使われることや、前室と玄室の間に境石があり、梁が横切っていることなどがある。

玄室には石屋形や石枕、灯明台石などが設置されている。古墳周辺は筑豊炭田の中で、何度も採掘される危機にあった。また、近くにあった鉱道の関係で、石室自 身崩落の危機にあった。現在は修復して保存施設を作り、年2回だけ公開している。復元、模写された石室の様子は、脇にある「王塚装飾古墳舘」で見学するこ とが出来る。

なお、王塚古墳の石室のプランと類似しているものに、韓国咸平「新徳古墳」 がある。韓国の前方後円墳は倭人説が有力に唱えられているが、その根拠の一つが北九州の古墳と関係が深いことである。

石室の図(『王塚古墳』桂川町教育委員会より) (参考)韓国咸平新徳古墳石室
(『海を渡った日本文化』鉱脈社より)
    
前のページ     目次      HOME    次のページ