vietnam006002.gif
旅行ルートと少数民族へ戻る
vietnam006001.gif
少数民族写真集へ
モン・ザオ語系

この言語グループにはモン族、ザオ族、パテン族の合計100万人あまりの3民族が含まれる。彼らのほとんどが北部山岳地方の各省に住み、一部が北中部に住む。モン族は高度の高いところに分布し、ザオ族とパテン族は山腹周辺に住む。

大多数が畑作を行ない、多角的耕作を行なっているが、水田耕作を営んでいるものもいる。織物、刺繍、パッチワーク、バティック等の高度な技術を持つ。モン族の男性は鋳造に長けている。ザオ族はそのグループにより平屋、または半高床式住居に住む。

ザオ族の親族関係は緊密で、ミドルネームで一族の中での各人の役割が確定される。モン族、パテン族共に、もし同じ名字を持つものであれば、先祖が同じであると見なされ、婚姻関係を結ぶことはできない。ザオ族は、漢字を独自に利用し、それはザオ族の俗字とよばれるが、それで祈りの言葉や詩を書き留めている。彼らは道教と儒教の影響を強く受けている。
 
1.モン族
モン族は18世紀頃ベトナムに入ってきた。彼らの居住地はほとんどが険しい山の上で大きい川の水源地にあたり、特定の植物栽培や家畜の飼育には適した気候だが、農業を営なめる土地は少ない。農産物にはトウモロコシ、稲、野菜、豆、亜麻、綿がある。家畜の飼育や家庭内手工業も発展している。彼らは銃身に銃口を通す技術に長けていることで有名である。以前はアヘンが各家庭の収入源であった。
村は近隣の共同社会組織であるが、親族関係が重要な位置を占めている。同じ名字を持つもの同士は、例え自分のうちでなくても、子供を産んだり、そこで死んだりすることは慎む必要がない。モン族は父系家族制度に従っている。彼らは恋人を同じ名字でない人から選ぶ。略奪婚の習俗も多くの場所で残っている。

ベトナムでは、4つの主なモン族グループがある。即ち、白モン族、青モン族、花モン族、黒モン族である。それぞれのグループは、言語、いくつかの風俗習慣と服装に独自の地方色を出している。
 
2.ザオ族
ザオ族は、言語、女性の衣装、いくつかの風俗習慣に独自の地方色を持った多くの地方グループを含む。彼らはベトナムに13世紀頃入ってきており、北部の山岳、高原地帯に居住している。彼らは同族が住んでいる村に住むことを好む。彼らはザオ族12氏の移住に関する「qua son bang」と呼ばれる記録を伝え持っている。「Binh hoang khoan diep」の中で、Ban vuongという人物がこの民族の始祖と伝えられている。

居住している地域の条件によって、ザオ族は水稲耕作をしたり焼き畑農業を行なったりしている。彼らはまた工業加工用の植物、果樹、薬草など価値のある植物を栽培している。家畜、家禽類の飼育はかなり発展している。鍛造、織物、製紙などのようないくつかの手工業が重視されている。多くの人が銃に穴を通す技術や銃口から弾を込める形式の銃の製造に長けている。野生の動物や鳥を捕獲するための様々なワナを持っている。

成人儀礼は伝統的な習俗で、成長した男子に対して行なわれるものである。ザオ族の民間文学は形式的にも豊富で多角的な価値を持っている。
 
3.パテン族
パテン族は人口およそ3700。その中には百人あまりのトゥイと呼ばれる小グループもある。ハザン省バッククアン県とトゥエンクアン省チエムホア県に居住している。パテン族はパフンという名前も持ち、200年あまり前にベトナムに入ってきた。

彼らは畑作を営み、鋤(すき)を用いて様々な作物を混ぜて栽培し、肥料も施す。家庭内手工業も家庭用木製品、紡績、鍛造、そして特に織物がよく行なわれる。

パテン族の女性の衣装は赤い色に装飾品を付け、卍模様、菱形模様、イヌのモチーフを使って織られたり凝った刺繍がされたりして色鮮やかである。衣服と装飾品の独創性は婚礼の新郎新婦の服装に強く現れる。

パテン族は民族の歴史と宗教に関して象形記号で書かれた何冊かの古文書を保存している。言語学者によっては、それは象形文字の原型のようなものと見る向きもある。
 
前へ         次へ      旅行ルートと少数民族へ戻る         
 
 
 
 
 
上記説明は「ベトナム文化研究院」のサイトの中の「ベトナム国立民族学博物館より提供された資料の翻訳」
より抜粋引用したものです。
http://www1.linkclub.or.jp/~yaksa/