キジル・クム
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写真−52
キジル・クム
キジル・クム(ブハラ〜ヒヴァ)
2003年7月23日
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キジル・クム(赤い砂漠) ‥‥
ウズベキスタン国内の移動は大型バスで、7月18日は首都タシュケントを出発しサマルカンドへ、19日はサマルカンドからシャフリサーブスへ往復し、20日はさらにサマルカンドカンドからブハラへ、そして22日はブハラからヒヴァへと移動した。最後の23日はヒヴァからタシュケントへ国内航空で移動した。

ウズベキスタン滞在7日間の大型バスによる移動距離は約1,300kmであり、日本の東京〜熊本の距離に相当する。

バスの車窓からの風景は素晴らしく、誤解を承知で表現すれば、北海道の富良野のような高原か、東北の田園地帯かまたは阿蘇山の外輪山の中のような風景が延々と数時間続き、正に雄大そのものの雰囲気である。沿線の農村の民家では子供達が(大人も)バスに向かって人懐っこく手を振り、かつての日本の原風景の趣もある。

ただしブハラ〜ヒヴァ(450km)のキジル・クム(赤い砂漠)は雰囲気が一変し、一言で表現する適当な言葉が見つからない。写真を見て欲しい。土壌は赤みを帯び全体的には平面だが凹凸があり、地平線から反対側の地平線まで道路が1直線に走っている。月の砂漠のような砂丘ではなくラクダ草などが点々と生えている。飛行機で砂漠に種を蒔いていると言うから凄い。

ヒヴァからタシケントへの飛行機もキジル・クムの上を飛んだ。プロペラ機で高度3,000米程度なので、視界は良好である。感動するのはこの広大な砂漠と人間との関わりである。上空から見ても直線の道路が地平線から反対側の地平線に走り、幹線の道路に平行して天然ガスのパイプラインが走っている。

昔はラクダの隊商が50度にもなる炎天下を、オアシスからオアシスまで何日もかけて通ったのだろうが、現在のこの大砂漠の中の道路とパイプラインの建設にも感心する。

途中から油田地帯上空になると、多分平面的には500〜1,000米の間隔であろうが、油田(跡)が広大な砂漠に点在し、そこだけはラクダ草がないので月面のクレーターのような感じである。そしてそれらを結ぶ無数の細い道とパイプラインが走っており、この光景が同じく地平線から地平線まで続く。環境問題と結びつければ別の議論もあろうが、人間の根気の凄さを実感する風景である。

さらに砂漠には水の流れる時もあるのであろう。流れが最後に砂漠に沁みこんでしまう箇所には広大な塩の平原が出来ておりそこは白くなっている。

非日常体験ならこの砂漠だけでも充分である。