イチャン・カラの城壁
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写真−41
イチャン・カラの城壁
ヒヴァ
2003年7月23日
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土の建築技術‥‥
今回のウズベキスタン旅行では壮大かつ壮麗なモスクなどの世界遺産建築群を数多く見学した。あまりにもたくさんのモスクを見学したので、記憶ではどれがどれか区別がつかず美しいイメージとして残っているだけである。

ツアーの同行者がこれらのモスクを石造建築技術と見做して、日本の木造建築技術の寺院と比較していたが、私は基本的にはウズベキスタンの建築文化は「石」の文化ではなく「土」の文化だと思う。土の文明は石
の文明より劣ると言っているのではない。むしろ石より脆い素材でこれだけの壮大な建築物をつくる技術は凄いと思った。

土の文明を象徴するのはヒヴァの城壁である。日本の赤土の壁のように麦わらを混入して強化した土で巨大な城壁を建設している。クフナ・アルクの上から眺めたイチャン・カラ(内城)はタイル張りのモスクを除いては土色一色の景観である。

モスクの天井はレンガをアーチ状に組み上げてドームとし、ドームの下部は礼拝室あるいは王族の眠る棺の部屋としての大空間室内が構成されている。内部の壁やドームの天井は金箔のタイルで覆われ複雑な装飾が施されており、建築物の外面は青を基調とした精巧な幾何学模様のタイルで全面が覆われている。壮大な土のドラマを感じる建築物である。

但しミナレはトルコなどに見られる先端が尖ったものではなく、ドーム状に丸い。さすがに素材が土(焼成度の低いれんが)では先端が尖った建造物は無理であったのであろう。

それほど広くない部屋の天井には木材の梁を用いた構造も採用されている。また柱も木材のものもあるが、それらにも精巧な彫刻が施されている。