キヨフナ・アルク
写真−29
ヒヴァ
2003年7月23日
耐震技術について ‥‥
タシケントは1966年に大地震に見舞われ殆どの建物は倒壊し多くの犠牲者を出した。当時のソビエト政権は国を挙げて動員し、短期間でタシュケントを近代都市に復興したと言う。
現地ガイドの案内によると、再び地震で倒壊しないようにアパートの建築には日本の耐震技術が取り入れられ、そのためアパートの形状も日本のそれに似ているとの説明だった。しかし外観をみる限りではとても耐震建築とは思えない。再びマグニチュード8級の地震が襲ったら倒壊してしまうように見える。私の間違いなら良いが。
途上国でも日本と同じ使用目的で道路や建築物が作られている。公平に比較すれば、日本より設計技術や施工技術が劣っている場合が多いのも事実であろう。その面だけを見て、日本より10年遅れているとか20年遅れているとの表現をする人が多い。しかしそれは日本の現在の価値観でしかものを見ない思い上がりではなかろうか。
これらの国に日本と同じ設計や施工技術を要求しても、それについて行くバックグラウンドがない。仮にあったとしても建設費は数倍にもなり、建設工事そのものが経済的に不可能になり、経済成長は阻害されてしまう。品質が悪く寿命が短い建造物を作っても、それによりとりあえずは社会基盤が強化されるので、次ぎのステップに進むことが出来る。高品質を要求して建設を遅らせば経済は停滞し豊かになることは出来ない。誤解されては困るが、低品質で良いと言っているのではない。
日本でも戦後から高度成長の時代には(現在でも)、道路や橋梁あるいはビルを絶えず、新設・拡幅または作り変えを行って来たではないか。
日本人が日本の価値観で途上国のレベルに違和感を持つのと、途上国の人が途上国の価値観で日本のレベルに違和感を持つ関係は対等であり、日本人が優越感を基にして判断、批判をすべきではないと思う。
(上の写真はタシケントではなく、ヒヴァです。便宜上、ここに耐震の文章を挿入しました)