故宮博物院の中央通り
2003年1月3日  
北京市内
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故宮博物院の中央通り
故宮博物院では、気温−10度の強い風の中、5時間 かけて見物した。
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北京の旅行記−3
2.コミュニケーションについて

一人で市内を歩き回る時、食事の注文と客引きを拒絶する時以外は誰とも話をしない「無言の行」であるのでコミュニケーションは殆ど無い。また会話が出来なくても百貨店やスーパーや屋台では、別項で述べた件以外は全くトラブルなく親切だった。

 チャーターしたタクシーの運転手は50歳台前半であるが、ラジオで日本語を勉強したとかでコミュニケーションは充分可能だった。正義感溢れる良心的な運転手で幸運だった。

 傑作だったのは司馬台長城での出来事である。入場券を購入して登り始めると、凍りついた湖の上を一人の女性が歩いて来る。果たして私に追いつくと写真集を買わないかと寄って来た。無視して登り続けるとどこまでもついて来る。

 坂が厳しくなり互いに息が弾んで来ると連帯感が生まれて来た。特に私の年齢を聞いてからは態度が変わった。この「遠来の品格ある老人」を無事に長城に登らせ、無事に下まで降ろすのが自分の役目と思ったのであろう。険しい坂や階段では上から引き上げて呉れ、私が少しでも足を滑らすと、しがみついて支えてくれる。延々と2時間半も誠意を持ってエスコートして呉れた。

この女性は満州族の近所の農民で、職業はなく9歳と7歳の女の子が居るとのこと(中国では一人子政策であるが少数民族は2人まで良い)。ここに日本人が来る事はまず無いと言う。最初はタイ人と思ったらしい。私は誠意あるエスコートに感謝の気持ちを持った。
 下まで降りると例の写真集を買ってくれと言うので、女性の言いなりの値段で購入した。

 そのことをタクシーの運転手に話すと「この写真集はアメリカ人なら半額で買う」と言って機嫌が悪かった。私が感謝の意も込めて払ったと言っても彼は理解して呉れなかった。農民が観光客に高い金をふっかけるのはけしからんと言う。私はそうは思ってはいない。