トランス・アンデス鉄道
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写真−11
アンデス山脈越え
アンデス山脈越え
上図はGoogle Earthの画面を元に編集した。
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トランス・アンデス鉄道‥‥
ウスプラータから国境のトンネルまでは険しい谷間沿いに道路が作られている。トンネルを出てチリ側に入ると、トンネルの出口から葛折りで山を下る道路が Google Earth では縮尺を拡大すると見えて来る。このアンデス山脈越えの道路を、観光バスで丸1日かけて通過した。

驚嘆したのは、このアンデス越えの道路にほぼ併行して鉄道が走っていたことである。トランス・アンデス鉄道と言い1887年着工、1910年完成したが、廃線になって10年以上も経っている。かつては大西洋岸の港「ブエノスアイレス」と太平洋岸の港「バルパライソ」を鉄道が結んでいたと言う。鉄道は道路のヘヤーピンカーブのように急角度では曲がれないため、道路よりはるかに条件の悪い断崖絶壁に沿ってくねくねと布設され、道路と同じく3000m以上の地点まで登っていた。

廃線となった線路は、至るところが崖崩れや雪崩に襲われ寸断されていた。と言うことは、この鉄道の建設時はもとより、営業運転時も峻険な地形のために崖崩れや雪崩が常襲的に発生し、それから鉄道を守るために気の遠くなるような技術者の努力があったことが、観光バスの車窓からも容易に想像された。犠牲も多かったであろう。

これは土木技術者の目で見た感想であり、鉄道や道路や橋梁を通過して楽しむだけの人とは視点が違うとも思う。