ラージャラーニ寺院の壁面
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写真−29
ラージャラーニ寺院の壁面
ラージャラーニ寺院の壁面
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2006.11.12 
ヒンドゥー教‥‥
インドの混沌とした歴史や社会状況を見ながら考えた。ヒンドゥー教は仏教やキリスト教、イスラム教に較べて性格が違い、途方もなく包容力を持つ宗教のように思える。言語数が1652もあり多民族がモザイク状に居住するインドでは宗教を一つの神、一つの教義に纏めようとすると大きな混乱と犠牲が永遠に続く。それを避けるために、どの民族からも異論が出ないような包容力を持った宗教がインド数千年の歴史のなかで自然に育まれて来たのではないだろうか。インド人の知恵である。

旅行中、楽しいヒンドゥー教寺院少々かぶれてしまった。但しカースト制とカースト枠外の最下層民の 不可蝕民 ※(人口の15.75%)はヒンドゥー教の大きな負の遺産と思う。逆に、カースト制が社会を安定させているとの見方もあるが、子々孫々まで不可蝕民では堪らない。

※不可蝕民‥‥「触れるも穢らわしい民」とのニャンスであるが、現在では差別用語として使用が禁じられており、法律上は 「指定カースト」 と呼ばれる。しかし不可蝕民制は実態としてはインド社会に根深く残っている。