アイスランド南部海岸
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写真−40〜42
2009.7.13
8:31
破壊された橋の残骸展示 →
破壊された橋の残骸展示 img_5223.jpg 川の位置を決めるための土木工事が必要
1996年10月、火山により氷河が溶け、大洪水
により破壊された橋(現地の看板写真より)
2009.7.13
8:32
大洪水の後に橋を架けるには、先ず川の
位置を決めるための土木工事が必要 →
2009.7.13
9:29
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橋の寿命の考え方‥‥
ヴァトナ氷河の下にある火山は定期的に(例えば10年に一度)噴火し、氷河が溶けて大洪水を引き起こす。洪水の幅は10キロ以上にもなり、その区間は人工的にどんなに頑丈な構造物を建設しても破壊され流されてしまう。先ほど通過した長さ1kmの橋も19 96年の大洪水で流され再建設された。

従って、橋の設計ポリシーは明快である。どうせ大洪水にやられるのなら橋の寿命は短くて良いので、疲労設計を考慮する必要はない。車の通行量が少ないから、橋の部分だけは一車線にして建設費を安くしよう。

日本では、橋の設計上の寿命は40年とか、長大橋では100年とかで設計するが、氷河の洪水地帯では、通常時と大洪水時では設計荷重が100〜1000倍以上も異なるので、日本の設計思想では橋は建設不可能である。通常時の設計荷重は、車の重量が小さく、通行量も少ないので安い橋が設計出来る。同様にこの区間の電柱も実に貧弱であった。

人口僅かに32万人で、北海道と四国を合わせた広大な面積のインフラを整備する必要があるアイスランドでは、土木工事に無駄な金を注ぎ込むことは出来ない。合理的である。