ブータンの子供達
bhutan049001.gif
ブータンのトップへ
写真−47
ブータンの子供達
テインプー
return.gif next.gif
2004年4月2日 
ブータンの子供達‥‥
ブータンの子供達は実に楽しそうに通学している。かなり遠距離の通学もあるようだが友達と楽しく話し笑いながら歩いている。民族衣装の制服が可愛い。

集団登校で周囲を警戒するとか母親の交通指導で交通事故に怯えながら通学することもない。学校も侵入者に備えての校門や鍵はなく勿論校庭には柵もない。

学校は無料、高等学校・大学も試験はあるが学資は無料である。8年制の美術学校のような特殊な学校でも無料である。面白いことに入学した時が1年生なので各家庭の事情により入学させる年齢は異なり、同じ学年でも年はばらばらだと言う。

ブータンの子供は他人を疑ったり恐れたりしないようだ。両親や他人に虐められた経験がないのか泣き叫んでいる子供を見たことがない。例えばツェチュ祭の会場で小さい子供達に混じってしゃがんで祭を見物していると隣の子供が私に寄りかかって祭を見物している。後の子供は退屈になると私の服や髪の毛を引っ張り始め、そのうちポケットの中のものまで出して遊び始めた。家族と同じような感覚らしい。日常から家族のスキンシップが多いのだろう。母親やお婆さんが赤ん坊の頬に自分の頬をこすりつけているところを何度も見た。

大人も混雑した場所で肩を触れても怒ることなくにこっと笑うだけである。早朝一人で散歩して無断で農家の庭先に入ったがにっこり笑って挨拶を返して来る。どこかの国ならピストルで直ぐに射殺されてしまうだろう。

生き物を大事にすることも徹底している。街には無数の野犬がいるが、ブータンの人たちは決して犬を虐めないので犬は安心しきっている。実に穏やかな野犬である。人間に虐待された記憶の遺伝子を持たない犬は人間を信じて仲良く共存している。車も犬をはねないようにゆっくり走る。僧侶は犬に米を与えている。さらに旅行者が蚊を殺すのも嫌がると言う。

大きな声で喋ったり怒鳴ったりすることがない民族である。殺人や強盗がないので警官はいるが、丸腰で警棒やピストルを所持していない。

昨年旅行した中央アジアや中国辺境の新疆ウイグル自治区でも、このように心安らかな旅行は出来なかった。ブータンのティンプーやパロの市場もウズベキスタンや新疆ウイグル自治区のバザールと同様に地元の人々で大変賑わっている。しかしブータンの市場は喧騒な市場ではなく静かである。

砂漠の民も旅行者をもてなすがそれは騒々しいもてなしであり、かたやブータンは真に心のこもった静かなもてなしだと思う。