bangladesh078001.gif
ショドルガート
バングラデシュのトップへ
写真−151〜152
ショドルガート ショドルガート
対岸への渡し舟
2010_2_27
ジャムナ川を渡り客を運ぶ長距離旅客船 →
(モングラまで22時間) 
出発は数時間後でも、船室場所取りの人がいた
2010_2_21
return.gif next.gif
バングラデシュを企業家の目で見ると‥‥
バングラデシュの常識は日本とは大きく異なる。人民共和国を名乗っているが、実態は資本主義経済である。そして、社会主義国のような弊害が随所に見受けられる。例えば、役人は必要以上に多くいるが、役所の機能を果たしていない。役人が仕事をしないから、物事が進まない。役人は国民にサービスを提供する立場ではなく、私腹を肥やすポストとして存在する。そのポストは、さらに利権を持つ高級官僚によって、裏取り引きされる。
軍隊・警察はもとより、国家公務員や地方公務員、電話会社、郵便局などの公的・公共機関は当然のごとく、不正を不正とも思わず法を犯している。裁判所の裁判官でさえ、被告からアンダーマネーを受け取ることがあるという。例えば、電電公社職員が電話線を切断し、水道府職員が水を止め、ガス公社がガスを止めてしまうことなどは日常茶飯事である。何れも使いたければアンダーマネーを払えと暗に言っているのだろう。
道を訊ねると知らないことを恥と思うのか、適当な方向を指差す。つまり親切である良い面と、解らないことを解らないと言えない悪い面を併せ持っている。よって、「法律を守る」「交通規則を守る」「イスラームの経典を守る」などといった規律も緩やかである。それらが微妙、絶妙のバランスを保って成り立っている。いわば、金さえあれば何でも可能であり、金持ち・権力者にはこれ以上の素晴らしい国は他にないだろう。

近頃では外国とのビジネスが増え、商法を守らなければ次に続かないことから、バングラデシュの企業家も工場従業員も商法、就業規則を守ろうという姿勢に変わってきている。さらに、「ここ数年間の6%前後の経済成長率は目を見張るものがあり、活力ある社会、活力ある国家という様相を呈してきている」ともいわれている。

以上、バングラデシュ在住17年の日本人企業家の文章を、書籍「バングラデシュを知るための60章、明石書店」から部分的に抜粋意訳して引用した。途上国共通の現象であろうが、面白い文章と思う!