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プティア
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写真−137
ゴパーラ寺院
ゴパーラ寺院(左)
ゴーヴィンダ寺院(右)
2010_2_23
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プティアのヒンドゥー教寺院群‥‥
ベンガル地方では 古代には仏教文化が栄えたが、中世のヒンドゥー時代には 南隣のインド・オリッサ地方に文化の中心地が移った。 オリッサには中世ヒンドゥー時代の偉大な石造寺院が数々あるが、ベンガル地方にはほとんどない。ベンガル地方では、13世紀からイスラーム政権が支配して 赤茶色のイスラーム建築が建てられたが、17世紀以降 ヨーロッパ諸国がこの地に進出するにつれて、イスラーム勢力は弱体化し、それに伴ってヒンドゥー教が復興し、ベンガル独自の 赤茶色のヒンドゥー寺院が各地に建てられた。

プティアの寺院群は、このヒンドゥー教が復興した時代のもので、建築様式は全てレンガ造で、その表面は 赤茶色のテラコッタ・パネルで覆われている。 これは粘土にレリーフ彫刻をほどこして、釉をかけずに焼いた素焼きの陶板で、そこには素朴ながら、「ラーマーヤナ」 や 「マハーバーラタ」 の説話、そして神々や動物のほかに 民衆の日常生活などが描かれている。


ゴパーラ寺院(左)‥‥‥屋根の軒線が水平でな くカーブを描き、四隅が垂れ下がっているのが 目を引くが、これは雨の多いこの地方において 雨を早く地上に流れ落とさせるための、農家の草葺き屋根の形からきている。このベンガル風の曲面屋根が ムガル朝によってデリーやアーグラにもたらされ、さらに それが西インドのラージプート諸国に伝えられた。この施設配置は、インド仏教末期の典型的な配置である。

ゴーヴィンダ寺院(右)は、2ページ後の同名のゴーヴィンダ寺院と区別するため小ゴーヴィンダ寺院とも言われている。