ゴムの材質ってどんなものがあるの？

　ゴムの材質にもその用途、またはその環境によって使用する材質が違ってきます。ここではゴムの材質の様々な特徴をご紹介いたします。
（尚、ここで書かれているのはあくまでも一般的なもので、必ずしも全てが当てはまるとは限らないことをご了承ください。）

天然ゴム（NR）　　耐熱90℃　耐寒－75℃

特徴　　１、　その名の通り、天然の樹の樹液から精製されたゴムである。
　　　　２、　他のゴムと比べると単価が比較的安価である。
　　　　３、　本来のゴムの持つ弾力性があり、機械的強度、伸縮性が良い。
　　　　４、　耐熱性、耐油性、耐候性、耐オゾン性が劣ります。

二トリルブタジエンゴム（NBR）　　耐熱120℃　耐寒－50℃

特徴　　１、　耐油性(ガソリン、軽油、アルコール）、耐摩耗性、耐老化性に優　　　　　　れている。
　　　　２、　耐候性、耐寒性、耐薬品性、電気特性、極性溶剤性には劣ります。
　　　　３、　耐油性に優れているので、自動車部品関連　(Ｏリング、オイルシ　　　　　　ール、オイルホース）などに多く使用されている。

クロロプレンゴム（CR）　　耐熱120℃　耐寒－60℃

特徴　　１、　天然ゴムの耐油性を改良した代替品として開発されたものである。
　　　　２、　機械的強度、反発弾性、耐薬品性、耐候性、耐老化性、耐熱性、　　　　　　耐寒性、耐油性に優れており、非常にバランスのとれたゴムである。
　　　　３、　難燃性であり、ガス透過率が小さく、接着力が強い。
　　　　４、　耐水性、電気絶縁性に劣る。

エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM) 耐熱150℃　耐寒－60℃
特徴　　１、　耐候性、耐寒性、耐油性、耐オゾン性、耐老化性、耐溶剤性に優　　　　　　れている。
　　　　２、　反発弾性、電気的性能にも優れ、自動車用ゴム製品、工業用ゴム　　　　　　製品、建築用ゴム製品など幅広く使用されている。
　　　　３、　金属や他のゴムとの接着性が悪く、引裂性に劣る。　　　　　　　

ウレタンゴム（U）　　耐熱80℃　耐寒－60℃
特徴　　１、　耐摩耗性に非常に優れていてジェットコースターの車輪などに使　　　　　　用されている。
　　　　２、　耐候性、耐寒性、耐油性に優れている。
　　　　３、　耐熱性、耐水性、耐薬品性が劣る。
　　　　４、　他のゴムと比べて多少高価である。

シリコンゴム（SI)　　耐熱250℃　耐寒－90℃
特徴　　１、　高度の耐熱性、耐寒性を持っている。
　　　　２、　耐候性に優れ、オゾンに対してもほとんど影響を受けず、屋外で　　　　　　紫外線や風雨にさらされても、ほとんど特性に変化はない。
　　　　３、　化学的に安定しているため人体に対しても悪い影響を与える心配　　　　　　はなく、医療関連機器、食品関連機器、哺乳瓶の乳首などにも使用　　　　　　されています。
　　　　４、　電気絶縁性に優れ、他のゴムに比べ色が出しやすい。
　　　　５、　耐引裂抵抗、耐引張強さ、耐磨耗性などの力学的性質やガス透過　　　　　　性、熱膨張性に劣る。
　　　　６、　接着性が他のゴムに比べ劣る。

フッ素ゴム（FKM)　　耐熱300℃　耐寒－50℃
特徴　　１、　耐熱性、耐候性、耐薬品性、耐油性、耐溶剤性、耐オゾン性に優　　　　　　れている。
　　　　２、　耐寒性、耐老化性にも優れている。
　　　　３、　有機酸、ケトン、エステル、アミン系の薬品の耐性が劣る。
　　　　４、　他のゴムに比べて高価である。