音楽と共に
M.A
2010.5
文集「たんぽぽ」の原稿依頼を受けて今までのことを振り返ってみました。手術してまだ2年半ほどなのでいろいろな場面が今でも鮮明に蘇ってきます。
毎年受けていた半日人間ドック。その2年前に初めて受けたマンモグラフーでは少しコメントがあったものの「異常なし」。2年後の平成19年秋、2度目のマンモの検査で「要精密」の通知。県病を受診し、検査の結果「悪性」と告げられました。2年前は異常なしだったので、早期で切ってしまえばそれで終わりだろうと(放射線治療の必要性は知っていましたが)その場で告知された時もそんなに落ち込みませんでした。12月初旬に手術、快適な入院生活。でも病理検査の結果、抗がん剤治療が必要だと言われた時は、辛い副作用のことを思うと、癌を告知された時よりもショックでした。退院後、3週間ごとの抗がん剤治療が1年数ヶ月、並行して放射線、ホルモン治療が続きました。
今振り返ると、退院してからの数ヶ月は、季節も真冬ということもありほとんど外に出なかったし、人と会うのも嫌だったし精神的に不安定で一番辛い時期でした。そんな状態での3週間ごとの通院治療がいつしか私の生活の一部になり、毎回穏やかで優しい笑顔で接してくださる増野先生、外来化学療法室の看護師さんたちとのおしゃべりが楽しみになり、ちょっとした身体の不調、心配事などを聞いてもらうだけで不安が解消し、通院が待ち遠しくなっていました。いよいよ残り数回の時は嬉しさと同時に寂しさも・・・。今はホルモン治療があと3年ほど残っています。
昨年9月、「やよい会」の行事で増野先生の講演会の後、トルヴェールという乳癌で繋がっているグループでミニコンサートをやらせていただきました。こんな形で皆さんの前で演奏することになるなんて当初は予想もしていませんでした。つたない演奏でしたが、私たちの音楽を楽しんでいただけたならとても嬉しいです。
学生時代にやっていたマンドリンを長い長いブランクを経て地元の社会人オーケストラに入ってすぐここの音楽仲間が40歳という若さで同じ病気で亡くなり、そのちょうど同時期に「要精密」の通知。彼女がすぐ受診するように私の背中を押してくれたような気がして、これも何か不思議な縁を感じています。このように、この病気になったからこそ出来る体験、知り合えた人々など、病気になって悪いことばかりではなく良かったこともほんとにたくさんあり、考え方、気持ちの持ちよう一つでマイナスをプラスに変えられることを実感しています。自分の身体を見つめ直し、毎日のウォーキングも習慣になって以前より健康になった気がします。再発・転移の恐怖はいつも心の片隅にありますが、これからも明るく前向きに過ごしていきたいと思っているきょうこの頃です。