<04年8月24日更新>
自治体破たんを回避せよ
このタイトル、実はかなり前に放送された「NHKスペシャル」のものです。
長野県の田中康夫知事が、財政再建団体への転落を防ぐために打ち出した財政再建の重要課題の一つ、「外郭団体の見直し作業」を10カ月にわたって追跡取材したドキュメンタリーで「外郭団体 300日の攻防」というサブタイトルがついています。
この録画テープを改めて見ながら、sky360は「これから選ばれる新しい新潟県知事は、このような取り組みができるだろうか」とかなり不安になりました。
落ち込む税収、のしかかる公共事業の借金――企業でいえば倒産にあたる財政再建団体への転落の危機にあるのは、新潟県も同じなのです。
田中知事のこの見直し作業で際立っているのは、長野県にしがらみのない大学教授や公認会計士など4人の専門家チームに全て任せ、地方官僚の天下り先にもなっているこの聖域に大胆に踏み込んでもらったことです。
その数、57。チームは長野県が年間180億円の税金をつぎ込んでいる全外郭団体を対象に「税金が無駄遣いされていないか」の一点を基準に採点していきました。
「外郭というからには、県や行政自身がやるよりは何かいいことがあるはず。それは何か」「その成果を税金の担い手である県民に分かるように説明する責任がある」「いまこの外郭団体がなかったら、つくろうと考えるか――」
採点の結果は厳しいものでした。
57の外郭団体のうち「いまのまま存続が望ましい」とされたのはわずか8〜9団体。残りは廃止か統合か、県が一切関与をやめるべきだという方向が出されました。
「行政でもない、民間でもない、外郭団体がやってこそ意味があるというものは少なかった。県民に必要かどうかではなく、自分たちのテリトリーを守るために汲々としている姿が見えた」。専門家チームはそう振り返っています。
財政再建に必要な一例は、こうした手法と理念だとsky360は考えます。官僚出身の知事にそれを期待できるでしょうか?